セント・オブ・ウーマン/夢の香り

気難しく人間嫌いな盲目の退役軍人と、心優しい苦学生との友情を描いた感動作。

アル・パチーノの演技すごいです。盲目の退役軍人って役柄なんですがホントに目が見えてないかのような全く動かない“瞳”の演技!クリス・オドネルの爽やか青年も素晴らしい演技ですが、やっぱり職業俳優には敵わないねってカンジ。この作品で7度目のノミネートにして遂にアカデミー主演男優賞を受賞したパチーノでございます。

たいした舞台装置があるわけでもなく、特殊撮影にお金をかけているわけでもないこの作品ですがその雰囲気の醸し出す極上の香りといいますか、もう余韻にずっと浸っていたい…。そういう気分にさせてくれる上質の映画です。タンゴを踊るシーンの感動をどんな言葉で表現すればいいのでしょう?それほどまでに完璧と申しますか、テンポや間合いの妙、リズム感全てに「映画って素晴らしいぜ!」と叫びたくなるようなエッセンスが含まれている気がします。とっても優雅でそしてアル・パチーノの男っぷりが映える場面。

あ、クリス・オドネルのコト全然書いてない。彼ももちろんいいですよ。初めは気難しいパチーノに負けることなく接していくオドネル。かなり手強いです、パチーノ。そんな彼の頑なな心を次第に和らげていく青年を爽やかに演じていますね。「バットマン&ロビン」のどちらかというと足手まといなアシスタント(?)ロビン役より、こちらのクリス・オドネルの方が可愛い。

これぞ真の男の強さ!男のロマンを描いた作品。男性必見のドラマでございます。
SCENT OF A WOMAN

「この世で最高なのが女性。それからずっと後ろにフェラーリがある」
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