シャーロック・ホームズ

19世紀末のロンドン。若い女性が次々と不気味な儀式を思わせる手口で殺害される事件が発生。ロンドン警視庁(スコットランド・ヤード)が捜査に手こずる中、シャーロック・ホームズ(ロバート・ダウニー・Jr)とワトスン(ジュード・ロウ)の2人は、この難事件解決に立ち上がる。持ち前の超人的な観察力、推理力を駆使して犯人の居所を突き止めるホームズ。だが、犯人であるブラックウッド卿(マーク・ストロング)を逮捕することに成功するも、ブラックウッド卿はホームズに巨大な闇の力と繋がりがあることをほのめかし、必ず復活すると言い残して処刑に付される。

やがて街中にブラックウッド卿が復活したとの噂が広がる。ホームズは相棒ワトスンの婚約にやきもきしながらもブラックウッド卿の真の目的を探るが、ホームズを翻弄する数少ない人物“あの女性(ひと)”=アイリーン・アドラー(レイチェル・マクアダムス)もホームズの前に現れて事件は混迷を増すばかりだった─


似非シャーロキアンのミーとしましてはガイ・リッチーが「シャーロック・ホームズ」を監督するというニュースを初めて聞いた時はけっこう驚いた。あのガイ・リッチーが?「スナッチ」以降は「スウェプト・アウェイ」、「リボルバー」、「ロックンローラ」とクソ駄作を連発してるガイ・リッチーがホームズものを監督するですと?なんかの間違いかとオモタわ。それに主役がロバート・ダウニー・Jr。アメリカ人がホームズを演じるですってぇ!みたいな困惑があったのも確か。まぁ、ミーは正真正銘の日本人なんでアメリカ人もイギリス人も実際のところ区別なんてつきませんがね。ミーがイギリス人男優を判別する基準は顔のデカさのみだ。なんかイギリス人って大抵顔がデカい。そういう意味ではロバート・ダウニー・Jrはイギリス人ぽいかもしれん←失礼

それとガイ・リッチーの作風って激しくホームズの雰囲気と合ってない気がする。妙にバイオレンス度とかお下品度とかばっかり目につきそうな気がする。どんなホームズものになるんだと危惧しながらも、“ホームズ”と名がつくだけで鑑賞意欲が高まる単純KOROなので観た。「ヤング・シャーロック/ピラミッドの謎」に「新シャーロック・ホームズ/おかしな弟の大冒険」も観たしな。

ところがどっこい。意外と肉体派ホームズもいけた。主役2人の相性が意外と合ってるのも好印象。ま、2人のやりとりは決して大笑い出来るレベルではありマセンが。デモ、いい!男前が2人も拝めるんだぞ!それだけで幸せ!たとえジュード・ロウが真性ハゲでも構わんッ。ミーはハゲに対して偏見はナイぞ!ジュード・ロウの下半身の無防備さはどうにかならんもんかねと思うが、プライベートはどうでもいい!作品中でキャラを魅力満載で演じてれば無問題。

あ、全然内容に触れてない。え〜と。ホームズものですがミステリ作品の要素は薄い。謎解きやトリックは割りと二の次。変わり者ホームズと妙に強気なワトスンのバディムービーとして鑑賞するのが正しいかと思われマス。この作品のワトスンはエラいイケイケ体質ですよ。ホームズが実はワトスンにいかに依存しているかというのが丁寧に描かれておりマス。原作で描かれていたワトスン像に近いかも。好奇心と勇気があるってトコね。陰ながらホームズをサポートするという点はちょっと違う気もするが。どっちかというと「オレが、俺がッ!」みたいなワトスン医師デシタ。

ブラックウッド卿は黒魔術を操るワケですが、彼が復活した謎を「だって黒魔術が使えるから」みたいな理由でお茶を濁されるのかと心配しましたが、ちゃんと論理的な説明がされてホッとしましたわ。アクション部分もド迫力。しょっぱなのアクションシークエンスは超人的な観察力と強靭な肉体を併せ持ったホームズをよく表わしたものとなっておりマシタ。古い街並みのロンドンを再現しながら、決して古臭くなく新鮮味がある映像も素晴らしい。

若干の不満点をいえば“あの女性(ひと)”=アイリーン・アドラーにミステリアス要素が足りないコト。魅力的ではあるが理知的な面よりも男勝りな面ばかり強調されてるカンジ。ついでにけっこう足手まといなのも減点。

既に続編の製作が決定しているというコトですが、アクション過多のホームズとワトスンも悪くないが、次回はミステリ面も強化して欲しい。どうやら次回作はモリアーティ教授が登場するようだけど、「最後の事件」をモチーフにした内容をミーとしましては激しく所望。ブラピがモリアーティ教授のキャスティング候補になってるというのはホントかしら?うむ、客は呼べるかも知れんがミス・キャスト。
2009年/アメリカ/128分/監督:ガイ・リッチー
SHERLOCK HOLMES
2010.03.22記

「メアリーの方がアイリーン・アドラーより悪女顔だと思ふ」
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