ブラジル南東部ベロキントの教会。そこに祭られた血を流すマリア像。全てはそこから始まった…
イエス・キリストが負った5つの傷を表すというスティグマータ(聖痕)。ある日突然その傷跡が現れだした女性の未曾有の恐怖体験!
アンドリュー神父(ガブリエル・バーン)はブラジル南東部の小さな村ベロキントの教会を訪れていた。彼は聖職者であると同時に科学者であり、奇跡と呼ばれる現象を調査し、偽の奇跡を暴くのが彼の仕事であった。この教会には血を流すというマリア像が祭られており、その像の調査が彼の今回の仕事。入念な調査の結果、マリア像に何の仕掛けもないことをバチカンに報告するアンドリュー神父。真の奇跡であるから再調査をというアンドリュー神父の意見を無視し、次の調査を指示するだけのハウスマン枢機卿(ジョナサン・プライス)。
同じ頃、ピッツバーグでヘア・ドレッサーとして働くフランキー(パトリシア・アークエット)に届けられた小包。それには古めかしいロザリオが入っていた。母親からのプレゼントだろうと気にもとめなかったフランキーだが、バスタブに浸かり一日の疲れを癒している時、突然両腕に激しい痛みが走った。バスタブを深紅に染める血。パニック状態の中、友人に助けられ病院へと担ぎ込まれるフランキー。医師達は彼女の話には耳も貸さず、彼女の自傷行為と決め付ける。しかし、その後も彼女の身体には謎の傷跡が現れ、次第に人格が崩壊しはじめるフランキー。地下鉄の中で偶然彼女の謎の現象を目撃したある神父がバチカンに報告し、アンドリュー神父にフランキーの調査の命が下る。ベロキントの再調査を却下されたばかりの彼は疑問を感じながらもピッツバーグに向うのだが…
悪魔もやれば神父も演じる芸域の広い(?)ガブリエル・バーン。でもこんなにセクシーな神父様っているんですかねぇ。流し目が色っぽ過ぎるぞ。ジャンル的にはホラーとなっている当作品ですが、実際のところあまり怖くありません。聖痕という宗教的な題材を扱ってるから正確にはオカルトなのか?ま、どっちでもいいや。ホラーにしろオカルトにしろ、妙に映像がスタイリッシュ。主人公が都会でヘア・ドレッサーをしている女性という設定のせいもあるんでしょうケド、ファッションもパンク・テイストでステキ。
無宗教でキリスト教についての造詣もさして深くないKORO、聖痕現象に秘められた真の意味など理解出来るワケもありませんが、主人公のフランキーが同じく無宗教で、今に生きる普通の女性(ちょっとドロップアウトぽいケド)なので彼女の目線が自分と同じ位置にあるカンジで抵抗なく観ることが出来ました。
でも最後の方はちょっと「エクソシスト」じみてきて、あれ?ってカンジでしたケド。スタイリッシュな宗教映画(?)を観たい時には割とオススメ。
1999年/アメリカ/102分/監督:ルパート・ウェインライト
STIGMATA