数年ぶりに故郷に帰ってきた男(マイケル・パレ)が、街の無法者グループにさらわれたたかつての恋人を助け出すまでを、まるでMTVでも観ているかのようなスピーディーな展開で観せてくれる青春アクション映画のカルト的作品。
マイケル・パレが最初あんまりカッコよく見えません。モッサリしてる印象。ついでにヘンリーネックのシャツにサスペンダー&革のヨレヨレコートというファッション・センスも微妙に首を傾げたくなるというか。恋人役のダイアン・レインも歌ってるシーンで明らかに吹き替えと判ってちょっとなぁというカンジです。曲自体はいいです。悪役のウィレム・デフォーもどうしてダイアン・レインさらったのか判らなかったり。意外とおまぬけ作品だったりします。しかし、全編音楽を効果的に使った“ロックンロールの寓話”というテロップ通りのノリのいい展開で、ストーリー性がないのも気になりません。
マイケル・パレも終始無表情で演技しつづけることで、なんとなく帰ってきた危険な男っていう設定に馴染んでくるし。途中からあれ、こんなにカッコイイ人だったっけ?と思えてしまうから不思議。ヘンリーネックにサスペンダー付きのズボン(パンツというよりズボン)さえ、ステキに見えちゃいますわよ!ダイアン・レインもこの頃はまだまだ輝いていた時期ですから美しいです。でも吹き替えのシーンは痛いぞ。
シンプルなストーリー、シンプルなラブロマンス、シンプルなエンディング。そしてまだまだ毒気の少ないシンプルな悪役のウィレム・デフォー(どういうワケか、とってもカッコよく見えるのは気のせい?)、これだけシンプルに徹すればお上品なシンプルさと言ってよろしいのでは?直接五感に響いてくるような妙に気持ちよくなれる作品です。
STREETS OF FIRE