世界最大のコンピューターが支配する電子の要塞!スーパーマンはいま空前の激闘を開始した!
クリストファー・リーヴ主演によるスーパーマンシリーズ第三弾。
どの職についても仕事が長続きせずに35週間も失業保険の世話になっているガス・ゴーマン(リチャード・プライヤー)だったが、ついには失業保険の受給を打ち切られてしまう。たまたまコンピュータ専門学校の広告を目にした彼は広告の謳い文句に惹かれて入校。たちまちプログラマとして才能を開花させる。
ほどなくコンピュータ会社にプログラマとして勤務しだしたガスは社員に支払われずにコンピュータ内部をさまよっているという1セント以下の給料の端数分を自分に振り込ませるプログラムを思いつき、それを実行して8万5千ドル以上もの金を手にすることに成功する。だが、たちまち会社のオーナーであるロス・ウェブスター(ロバート・ヴォーン)に見破られてしまい、ガスはウェブスターの命令通りに動く駒となってしまう。
コーヒー相場を手中にしようと目論むウェブスターのいいつけ通りに気象衛星を操ってコロンビア上空にハリケーンを起こすガスだったが、スーパーマン(クリストファー・リーヴ)の活躍で大災害には至らずに済む。だが、そのことを知ったウェブスターはスーパーマンに激しい怒りを抱き、スーパーマンの弱点であるクリプトナイトを使ってスーパーマンの破滅を目論む。
世間ではシリーズを追うごとにジリ貧になっていくと言われたスーパーマンシリーズ。因みにミーはIVの「最強の敵」以外は鑑賞しておりマス。当作品はかなり巷では香ばしい作品と思われてるようですが、ミーはこの作品が一番好きだッ!何故かって?もちろんロイス・レインの出番がほとんどないからに決まってるじゃないですかッ!あの厚塗りおばちゃんの顔を拝まなくて済むと思うだけで得点2割増し!きっとシリーズ1作目と2作目もヒロインがもっとマシだったらもう少し評価が上がったかも知れない。
冒頭でいきなりバミューダに出かけるおばちゃんはどうでもいいのよ。赤いビキニ姿なんて想像もしたくねぇよ。貧乳おばちゃんのビキニ姿なんて、どんな罰ゲームなんだよ。ロイスのビキニ姿を想像してニヤける超男に小一時間ほど「審美眼とは」とか説教したい勢いだぞ。いかん、ムダにロイスおばちゃんに文字数を割いてしもうた。
気を取り直しまして。この作品はガス役のリチャード・プライヤーのアクが非常に強く、ヒーローものなのにコメディパートがやたらと強調されている異色作でありマス。オープニングからやたらと凝ったシークエンスのドタバタコメディが繰り広げられて「これってスーパーマン?」と激しく戸惑った。あらすじ書く時もガスのことばっかりでスーパーマンのスの字も出せねぇと思いマシタよ。
悪役を演じるロバート・ヴォーンも憎たらしさよりもオマヌケ部分の方が強調されておりマス。ウェブスターの妹ヴェラは顔も言動も悪だったケド、ウェブスターの愛人ローレライとのやりとりがコント。あんだけ嫌い合ってるのに、いつも一緒にいるのが不思議で仕方がない。ガスばかりが目立って主役である筈のクラーク・ケント=スーパーマンの存在が前半は霞んでおりマシタ。ガスがウェブスターの片棒を担いで悪事を働いている間にクラーク・ケント=スーパーマンはナニをしていたかと申しますと。田舎に帰って同窓会に出席して学生時代の憧れの女性ラナとイイ雰囲気になっておりマシタよ。アンタ、ナニやってるんだ。
全体的にややチープだし、スーパーマンの活躍もとにかく徹頭徹尾、力技オンリーなワケで変化球もなんもない。しかし、この作品の一番の見所はスーパーマンの超絶ヒーローぶりではナイ。暗黒超男の姿が存分に堪能出来るトコなんですよ!
なんつ〜か以前観た時は全然気がつかなかったんだけど、再鑑賞してみるとクリストファー・リーヴが芸達者でKOROちゃんびっくり。3つの顔を演じ分ける姿に唸ったわ。スーパーマンの時は超紳士的で超ハンサムで超力持ち。クラーク・ケントの時はどこまでも三枚目。髪の毛をぴっちり七三に分けてメガネをかけただけなのに、頼りない男に見えるから不思議。体格の良さは隠しようがないのに全然、強そうに見えないんだよね。そして暗黒スーパーマンの時のダークな目つき、善と戦う時の憎しみをこめた吼えっぷりに驚いた。こんなに上手い役者だったのか!と。
邦題になってる電子の要塞が絶望しそうな程にショボいし、やたらと出張ってた割にガスが中途半端な立ち位置だったり、クライマックスになんのカタルシスもないのは致命的かもしれマセンが、3つの顔を見事に演じ分けたクリストファー・リーヴの熱演には敬意を表したい。
1983年/アメリカ/123分/監督:リチャード・レスター
SUPERMAN III
2010.01.02記