勝利への脱出

占領下のパリで行なわれることとなったドイツ・ナショナル・チームと連合軍捕虜チームのサッカー・ゲームに乗じて脱走を図る連合軍チームの姿を描く。

1943年、第二次世界大戦下のドイツ南部にあるゲンズドルフ捕虜収容所。そこを訪れたドイツ軍将校フォン・シュタイナー(マックス・フォン・シドー)は暇を持て余してサッカーに興ずる連合国軍捕虜達の姿を見て、 ドイツ代表対連合軍捕虜チームとの親善試合を思いつく。

捕虜のリーダーで元イングランド代表サッカー選手のコルビー大尉(マイケル・ケイン)はこの提案を受け入れ、選手の選抜に励むが、そんな彼にしつこくチームへの参加を申し出る者がいた。アメリカ軍大尉のハッチ(シルヴェスター・スタローン)。サッカーのルールを全く理解していないハッチなどチームに入れる気のないコルビーだったが、ハッチは食い下がる。ハッチは捕虜収容所からの脱走を企てていたのだ─


一応、スタローンが主役のはずだが地味だった。やたらとおしゃべりな役だったけど地味だった。以上、終わり。…相変わらず早いな。だって、お目当てのマイケル・ケインがどうみても往年の名選手ってカンジじゃないですからッ!ほとんど見せ場がないですから!不摂生しまくりの爺さまにしか見えねぇよ。あんなに腹が出てちゃ走れねぇだろうなぁ。そういや、走るシーンなんてほとんどなかったなぁ。たしか出演当時はまだ50歳前のはずだぞ。エラい老けてたなぁ。マイケル・ケインの爺ぶりはともかく。

スタローンは「ロッキー」や「ランボー」だけって印象かもしれないケド、こんな作品にも出ております。「大脱走」のマックィーンを意識したかのような脱走シーンはそこそこオモロい。たしかお正月映画として公開されてたと思うんだけど、実際のところ観客の多くはスタ目当てじゃなくてペレ目当てだったんじゃないのか疑惑発生。出番はさほどないが、やっぱりペレがボールを自在に操るのを見るだけで「おぉ〜」って唸っちゃうよね。スクリーン越しからでも「神様ァ〜」と拝んじゃいそうな勢いですよ。

ペレ以外にも往年の名選手や現役サッカー選手が出演してるらしいケド、この時代のサッカー選手には疎いんで正直、全く判りマセンでした。KORO的にサッカーが熱かったのはユベントスにジダン、ダヴィッツにラヴァネッリ、そしてインテルにサモラノがいた頃デス。あぁんサモラノ〜。あ、いかん。お約束で話が逸れた。

正直、脱走劇自体は大して手に汗握りマセンわ。エンディングもやや甘いかなとは思う。有名な脱獄モノ映画「大脱走」のように強烈な個性派俳優勢ぞろいってワケでもないし、スタローン映画ともジョン・ヒューストン作品とも言えない中途半端な評価の作品ではある。だが、しかし!サッカーの試合展開がベタだけど熱くなれる!試合展開をペレ自ら構成しただけあって、緊迫感アリ。

やっぱり、ペレのバイシクルシュートはくるなと判っていても興奮しますわ。ちょっとオーバー演出気味だったけどな。いいんです、神様なんだから。

それほど全面にスタローン臭がしない作品なのでスタローンが嫌いだって人にもオススメです。
1981年/アメリカ/116分/監督:ジョン・ヒューストン
ESCAPE TO VICTORY

「コーナーキックの時はどこに立てばいい?」
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