ゾディアック

1960年代から70年代にかけて37人を殺害したという実在の連続殺人犯“ゾディアック”。今もなお犯人不明のまま未解決となっているアメリカ犯罪史上、最も謎に満ちた事件を描いたサスペンス・ミステリー。

1968年12月20日。サンフランシスコ近郊の町、ヴァレーホ。10代のカップルの死体が発見される。少年は左耳の後ろから撃たれて死亡。少し離れたところに倒れていた少女も背後から数発の銃弾を浴び、死んでいた。金品を奪った痕跡もなく2人に暴行が加えられた形跡もない。マット・パリッシュ刑事(ジャスティン・チェンバース)は、犯人の犯行動機を掴めないまま捜査にあたる。だが事件は進展を見せることもなく、このまま迷宮入りかと思われた。事件から約7ヶ月後の1969年7月5日。ヴァレーホ警察に男の声で電話が入る。その男は2件の殺人を報せ、以前にも殺人を犯したと告げる。男の指示した現場で見つかる犠牲者。またしてもカップルが狙われた。しかし男性の方は重傷を負いながらも生きていた。男性の証言によると犯人はものも言わずに近づき、ただ2人を撃ったというのだ。翌月、新聞社にゾディアックと名乗る犯人からの手紙が送りつけられる。犯人にしか知りえない殺害の細部が書かれ、数行の暗号が記された手紙。手紙を公開しないとさらに10人以上を殺すと脅しをかけるゾディアックにヴァレーホの町の人々は震え上がる。昼夜を分かたず、捜査にあたるパリッシュ。しかし一向にゾディアックの手がかりは掴めない。妻ローラ(ロビン・タネイ)は夫が不在の夜に怯え、一人息子ジョニー(ローリー・カルキン)はゾディアックの暗号に取り憑かれる。ゾディアック逮捕に執念を燃やすパリッシュだったが…


ありゃ、うっかり。ミーはフィンチャー版の「ゾディアック」かと思ってDVDレンタルしたワケですよ。そしたら、アナタ。いくら待ってもジェイク・ギレンホールが出てこない。ロバート・ダウニー・Jr.もちっともさっぱり出てこない。まぁ主人公がなかなか出てこない作品もあるしなぁ。というかこの作品の真の主人公はゾディアックだしなぁということで、のほほんと観てたワケですが。…さすがに1時間経ってもジェイク・ギレンホールが出てこないのはオカシイ。つ〜かパリッシュっていう刑事が主人公っぽいぞ?どっからどう見てもジェイク・ギレンホールじゃない。それよりなにより。のほほんと鑑賞出来るサスペンスとはこれいかに?心配になりDVDをとめてネットでチェックしてみた。…フィンチャー版の「ゾディアック」より先に製作された劇場未公開作だよ(涙)。誰だ、監督のアレクサンダー・バークレーって。パリッシュ役のジャスティン・チェンバースも知らねぇよ(号泣)。「グレイズ・アナトミー」とか観たことねぇよ。ロビン・タネイが妻役で出てる時点でアレ?とは思ったケドさ〜。うっかり八兵衛体質、発症。

まぁそれはさておき。実在の連続殺人犯を描いてるということで少々、期待して観た。フィンチャー版は未見なので比較しようはないが、未だに捕まっていない正体不明の犯人に焦点を当てるのではなく、事件を担当した刑事を軸にしてストーリーを進めていくというのもアリかしら。だって犯人像なんて判りマセンからね。しかし。当時はこの事件に全米が震撼したらしいがこの作品を観てると、どうにもそれが伝わってこないのは何故?アメリカの田舎町で起きた小さな事件っていう感じしかしないのよねぇ。事件そのものの描き方がマズイのか?だってゾディアックが現れても不気味でもなんでもないのよねぇ。冒頭でいきなり高校生カップルが襲われるシーンもちっともさっぱり怖くない。そしてパリッシュの描き方も中途半端。犯人を絞りきれない苦しみ。警察の無力さを責められ、押し寄せるプレッシャー。事件にのめり込むあまり、家族を蔑ろにして妻の不安や淋しさが募っていく描写はあるけれど、真に迫ってこないというか。刑事としても夫としても父親としても何の答えも出さないまま、終わっちゃってびっくりした。ホントにラストがあまりにもあっさりしすぎてて「え?もう終わりなの?」みたいな。まぁ時間も96分と短いし、フィンチャー版の予習というカンジで臨めばよいのか?←違

あ、息子のジョニーはゾディアックの正体を暴こうとしてたんだと思うが、それは好奇心からなの?父親の力になりたかったからなの?そこら辺りがキチンと描ききれてないから、パリッシュ親子の関係は良好なのか元々うまくいってないのかさえもよく判らなかったよ。というか子供が堂々と警察署に入ってあんなものやこんなものを見てはイケマセン。実際の事件を描くといっても未解決事件なんだから、ああいう纏め方しかないのかもしれないケド、もう少し含みを持たせた締め方はないものか。
2005年/アメリカ/96分/監督:アレクサンダー・バークレー
THE ZODIAC
2009.09.01記

「R・カルキンはアニキより作品選びが渋い」
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