ガリレオの暗号が、ヴァチカンを追いつめる。
ハーバード大学の宗教象徴学者ロバート・ラングドンが教皇選挙(コンクラーヴェ)が行われているヴァチカンを舞台に宗教と科学の数百年に及ぶ対立の歴史がもたらした陰謀の阻止に奔走する。原作とは時系列を入れ替えた「ダ・ヴィンチ・コード」の続編。
400年前。カトリックの総本山であるヴァチカンは神の存在を脅かす者として科学を信奉する者たちを弾圧していた。ガリレオを中心とした科学者たちで結成された秘密結社イルミナティはヴァチカンの激しい弾圧により消滅したものと思われていた。しかし教皇の逝去を受け、行われようとしているコンクラーヴェに乗じて長年の弾圧に復讐するかのように復活。次期教皇の最有力候補である枢機卿4人を拉致し、1時間ごとに殺害するという予告を発するイルミナティ。その上、ヴァチカン全体を消滅させる威力を持つ反物質をスイスのCERN(欧州原子核研究機構)から盗み出していた。
ルーブル美術館の一件以来、ヴァチカンと冷戦関係に陥っていたロバート・ラングドン(トム・ハンクス)の元にヴァチカンからの使者が訪れ、事件解決のための協力を要請する。4人の枢機卿をローマ市内にある4つの教会で順に殺害していくというイルミナティの暗殺者。その怖ろしい計画を阻止する方法はただひとつ。ガリレオの著書に隠された4つの教会の場所を示す暗号を読み解くこと。タイムリミットはわずか。果たしてラングドンは400年もの間眠り続けた暗号を解き、ヴァチカンを窮地から救い出せるのか?
トム・ハンクスが前作で不評だったロン毛をやめたのは正解だったと思ふ。相変わらず全くハーバード大学の教授には見えませんがねッ。スンマセン、トム・ハンクスが嫌いってワケじゃないんだけど原作のロバート・ラングドンのイメージとはかけ離れてると思うんで。KORO的にラングドンはケーリー・グラント風ですから。ダンディ教授ですから。トム・ハンクスじゃねぇんだよなぁ。ついでに今回のヒロインもちょっとイメージ違うと思う。もっと太陽燦々みたいなお姉さんってカンジなんだよなぁ。スタイルもボンッ!キュッ!ボン!みたいな。当初予定されていたナオミ・ワッツよりもアイェレット・ゾラーの方が原作のヴィットリアに近いとは思うけど。
カメルレンゴ役を演じてるのはユアン・マクレガー。原作と人種が違ってるぞ。ま、それは些少な問題だしユアン・マクレガーは割りと好きな役者なんで文句はないが、このキャスティングは問題じゃね?2時間ドラマ的なキャスティングじゃね?どこがどう2時間ドラマ的かは詳しく書けマセンわ。ま、ユーが想像している通りだよ。ま、それはともかく。
前作の「ダ・ヴィンチ・コード」がクソだったんで全然期待してなかったし、観に行くつもりもなかったんですが会社の女の子が「けっこうオモロかったよ」と言ってたし、映画代を出してくれるという正に天使サマのような方に誘われたので観に行った。確かに前作よりは親切設計でしたね。元々、原作が「ダ・ヴィンチ・コード」よりも映画向きな題材だと思うし。チマチマ謎を解いていくっていうよりもローマ市内を駆けずり回っときゃどうにかなるつ〜か。いや、決してラングドンは行き当たりばったりな行動をしてたワケじゃないですよ。デモ、トム・ハンクスが演じてると珍道中なカンジになるのは何故だ。
原作で物語の鍵を握る存在であるCERNの所長マクシミリアン・コーラーの存在がバッサリ削られている点とアンビグラムがエラく軽く扱われてるのは不満。CERNで殺害された科学者がヴィットリアの父から単なる同僚に変更されたのにも首を傾げる。アンタね、レオナルド・ヴェトラはけっこう重要な役どころなんだよ?ヴィットリアの父親であり科学者でもあり、司祭でもあるんだから。ホントにもう。特に最後のアンビグラムが変更されてたのには驚きを通り越して呆れてしもうたがな。アンビグラムじゃねぇし。そりゃないぜベイベー←誰だ。
何故タイトルが「天使と悪魔」なのかもこの作品を観る限りでは伝わってこないかも。仕方ないか。監督がロン・ハワードだもん。決してヘタな監督じゃないけど物語自体に含みを持たせるというか深みを与えるのは不得手っぽいし。人物描写が平板な気がする。KORO的にはやや不満が残る出来でしたが、アクション要素も強いし、次々と起こる殺人にタイムリミットが設定されているので緊張感や臨場感は前作よりも断然、上。歴史的宗教施設を巡りながらサスペンスも味わえちゃうというお手頃価格。違った、お得な作品となっております。原作は映画を観た後に読むことをオススメします。
2009年/アメリカ/138分/監督:ロン・ハワード
ANGELS & DEMONS
2009.07.18記