おねがいチャンプ!もう一度チャンピオンになって!
元ボクシング・チャンピオンのビリー(ジョン・ヴォイト)はかつては妻アニー(フェイ・ダナウェイ)と1人息子のT.J.(リッキー・シュローダー)と親子3人で幸せに暮らしていたがアニーがある日突然2人を捨て、家出してしまってからはツキに見放されっぱなし。今は競馬場に勤務して酒とギャンブルに溺れながらT.J.と父子2人でどうにか生活しているという凋落ぶり。しかしT.Jは、かつてチャンピオンだった父親を尊敬しており、パパと呼ばずに“チャンプ”と愛称で呼んでいた。父が再びチャンピオンの座に返り咲く日がくるのを信じて疑わなかったのだ。そしてビリーは、そんなT.Jの期待を裏切るまいと老体に鞭打つように本格的なトレーニングを開始し、再びリングに登るのだが…
号泣!感動!リッキー・シュローダーの愛らしい演技にどっぷりハマった。涙ナシでは観る事が出来ません。ミーもご多分に漏れず動物と子役の涙を誘う名演技にコロッとやられる体質です。あ、でもこの作品は日本でしかヒットしなかったそうです。アメリカ人はおこちゃまのお涙頂戴演技にはハマらないのだろうか。
もちろんジョン・ヴォイト演じるよれよれながらも息子のために命の限り戦おうとするビリーの姿もいい。かつてチャンピオンだった頃の栄光が忘れられずに今は酒とギャンブルに溺れながらもリングに再び立つ夢を捨てきれないビリー。自分のためだけではなく不甲斐ない父親を軽蔑するどころか尊敬の念を込めてチャンプと呼んでくれる息子のためにも。アカデミー主演男優賞にノミネートされたのも納得の素晴らしい演技だった。
デモ、やっぱりT.J.には負ける。T.J.の可愛さったら!健気さったら!あ、思い出しただけで涙だよ。鼻水垂れ流しだよ。そういえば怖くてキレイなおばさんのフェイ・ダナウェイがお母さん役デシタ。今、考えるとフェイ・ダナウェイが母親役なんてスゲェ違和感だなぁ。でも、さすがの名演技でしっかり愛する息子と生き別れになった母アニーを見事に演じておりました。偶然出会ったT.J.が自分の息子であると知ってしまい、呆然とするアニー。息子が恋しいと思いつつも母親と名乗れずにT.J.と接するアニーの複雑な心境が伝わってきて、またも号泣。ミーは親子愛にとことん弱いのだよ。
ラストは反則技スレスレとしかいいようのない締め方だが、やはり泣けます。ミーは周囲をはばかることなく号泣した。泣きたい時にはこの作品。
1979年/アメリカ/123分/監督:フランコ・ゼフィレッリ
THE CHAMP