永遠(とわ)に美しく…

ロバート・ゼメキス監督が最新SFXを駆使したドラマチック・コメディ。

落ち目の女優マデリーン(メリル・ストリープ)の前にある日、学生時代からのライバルで今は作家のヘレン(ゴールディ・ホーン)が整形外科医の婚約者アーネスト(ブルース・ウィリス)を伴い、現れる。異常なほどの対抗意識を燃やす2人。そして数ヵ月後。マデリーンの猛烈お色気作戦に負け、ついには彼女と結婚するアーネスト。

それから数年後。失恋とライバルに負けたショックから過食症になり身も心もボロボロのヘレン。必ずあの憎いマデリーンを見返してやるの一念で彼女はリハビリに励むのだった。更に数年後…


とにかく2大女優の猛烈ないがみ合いが恐ろしくもオカシイです。そしてその間でオロオロするだけのブルース・ウィリス。髪の毛の少なさ具合も情けなさ度アップでヨロシイ。どう考えてもマデリーンはヘレンへの嫌がらせの為だけにアーネストに猛烈アタックしただろってカンジ。アーネストはイケてないハゲですから。

過食症から立ち直り、新作の発表パーティに2人を招くヘレン。ヘレンのオデブぶりを笑ってやろうと楽しみにやってきたマデリーンはヘレンの見違えるほどの若返りぶりに仰天。まぁその時のヒステリックぶりといったら、アナタ。鏡を見つめて容色の衰えた自分を嘆くわ、若い恋人にはババア呼ばわりされた挙句に捨てられるわでマデリーンの精神は崩壊寸前デス。おばちゃんを怒らせると後が怖いザマス。

そんな彼女に悪魔の囁きが。いつまでも若く美しくいられるという秘薬があるですって?飲むしかないわよ!飲むしか!しかし、その薬は若返りの薬というよりも○○○の薬なんですねぇ。恐ろしいですねぇ。ホラーですねぇ。全体的に見ればゼメキス監督のワリには盛り上がりに欠けるし、おどろおどろしさも中途半端ってカンジなんですがマデリーンとヘレンの見苦しいほどの見栄と意地の張り合いが見所といえば見所かしら。女性の美への執念を生々しく表現してて、女の子ちゃんに夢とロマンを持っている男の子ちゃんの心を見事に打ち砕いてくれたり。もう完全に化け物化してる2人の壮絶バトル&SFXは必見デス。首が180度回転してたり、お腹に思いっきり穴開いてるのにピンピンしてたり。もはや人間じゃねぇよ。

しかし一番スゴイのは当時47歳のゴールディ・ホーン。もう可愛いったらありゃしない。あの脚線美が47歳のモノだなんて、アナタ信じられる?きっと秘薬を飲んでいるに違いない。メリル・ストリープの美にしつこくしがみつくオバサンぶりスゴイけど、ゴールディの変わらぬキュートさには負けます。ザ・可憐お化け←褒めてない。とにかくその壮絶バトルぶりにベテラン女優の2人がよく出演する気になったなぁと妙な感動を覚えましたわ。魔女役のイザベラ・ロッセリーニの生気を感じさせない美貌もヨイ。

しかし、どういう客層を狙っているのか判らない映画だった。
1992年/アメリカ/104分/監督:ロバート・ゼメキス
DEATH BECOMES HER

「ゼメキス監督の描く女性っていつもどこか歪んでる気がする」
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