ダイ・ハード4.0

全世界を揺るがす史上最悪のサイバーテロ発生!

アナログおっさんジョン・マクレーンがデジタル・テロを相手に大暴れ。今度はアメリカ全土が舞台だ!

アメリカ独立記念日の前夜。FBI本部に設置されたサイバー犯罪部に異変が発生。全米のインフラを監視するシステムに何者かがハッキングを仕掛けてきたのだ。部署を指揮するボウマン部長(クリフ・カーティス)は事態を憂慮し、FBIのブラックリストに載っているハッカー達の一斉捜査を命じる。

同じ頃、ニューヨーク市警統合テロ対策班のジョン・マクレーン警部補(ブルース・ウィリス)は管轄外のニュージャージー州にいた。妻と別れて以来、久しく連絡を取っていない娘のルーシー(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)に会うため彼女の通う大学を訪れていたのだ。ところがボーイフレンドと一緒にいるところにいきなり現われ、しかも「娘にちょっかいを出すな」とボーイフレンドを射殺しかねない勢いで脅す父にルーシーは猛反発。娘の冷たい反応にヘコむマクレーンにさらに不運が。上司からニュージャージーに住むマット(ジャスティン・ロング)というハッカーをFBI本部まで連行するように命じられてしまう。渋々、マットの住むアパートへと向かうマクレーンはそこで謎の一味に襲撃されてしまう。マットと共に命からがら危機を脱したマクレーンだったが、それは彼にまたも降りかかる不運の序章に過ぎなかった。


うむ、この作品が公開されたのは2007年6月。公開直後にK元くんと張り切って観に行った。オモロかったよ。マクレーンが12年ぶりにスクリーンに帰ってきましたよ。ヤツのぼやき節に痺れマシタよ。なのに感想を書くのをうっかりすっかり忘れておった。ま、いつものことですけどね。観たのに感想を書いてないのはこの作品だけじゃないですから。1年間に100本ペースで書いても5年以上かかるくらいに溜め込んでますから。ライフワークだ、どんとこい。KOROの怠惰ぶりはおいといて。

ハゲ頑張ってました。ハゲがやりすぎてマシタ。ハゲが有り得ない不死身ぶりで有り得ないアクションを連続でブチかましてくれマシタ。ハゲ、ハゲと連呼してますがミーはブルース・ウィリスが大好きです。ハゲてるおっさんも大好きです。ブルース・ウィリスはアカデミー賞に一生、縁がなさそうなおっさんだがミーは猛烈に愛してますよ。

なかなかくたばらない、しぶとい男マクレーンもいまや立派にご老体。そんな老体に鞭打って今まで以上に不死身の男ぶりを存分に発揮しているサマに「有り得ねぇ〜ッ」と思いながらも興奮。終始、ボヤキまくりながらも決して逃げることなく、ひたすら敵を倒すために突き進む姿にご老体KORO感動。マクレーンの一度食いついたら意地でも離れないしぶとさに感服。年齢を重ね、英雄でありつづけることで色んなモノを失ってしまったマクレーンは以前の暑苦しい印象は薄れて妙にクールなおっさんだったのは違和感だったけど、ダイ・ハード野郎ぶりは健在でした。単に熱いだけではなくどこか余裕を感じさせるマクレーンに中年男の渋みを感じた。ハゲ、最高。

あ、いかん。ハゲのことしか書いてない。え〜と。今回、マクレーンの相棒を務めるのはギークなお兄ちゃんマット。事件の片棒を知らない間に担いでしまった故に携帯電話も満足に扱えない前時代の遺物のようなアナログおっさんマクレーンと共に東奔西走。体力魔人マクレーンと頑張っておりました。ただ前作のゼウスのように運が悪かったため事件に巻き込まれてしまうわけではなく、知らなかったとはいえ全米を大混乱に陥れる大事件の片棒を担いでしまった責任を感じて積極的にマクレーンに協力する点は残念。「ダイ・ハード」シリーズの醍醐味は徹底的に運が悪いために事件に巻き込まれてしまうトコだと思うので。デモ、マクレーンと行動を共にするうちに意気地のないマットが精神的に成長していく点は良かった。

それと出番は少ないがマクレーンの娘ルーシーがいい性格してますよ。父に猛反発する割には鼻っ柱の強さや手の早いトコはしっかり父親似。いや、母親のホリーも気は強いし、手も恐ろしく早かったな。ルーシーがストーリー終盤でマクレーンに伝えるたった一言の台詞に反抗しながらも実は父親を信頼していることが覗えてホロリと致しマシタ。

今回の敵はサイバー・テロリストのトーマス・ガブリエル。演じているのはティモシー・オリファント。今までの敵と違ってクールを装いながらマクレーンの相手を最高に苛立たせる言動にしっかりペースを乱されて、いちいち冷静さを失い感情を露わにする点に若さを感じマシタ。ミーはハンスやサイモンのような紳士的な悪役希望。親玉は悪の魅力に乏しかったがガブリエルの部下で恋人でもあるマイ・リンがサイコーにビッチな女でKOROちゃん満足。演じているのはマギー・Q。マクレーンとの肉弾戦がエゲつなくてヨロシイ。

シリーズを重ねるごとに舞台が広くなり、第一作の限られた空間での孤立無援の戦いって設定からどんどん離れていって、とうとう全米を舞台にしてしまった今作は「ダイ・ハード」シリーズじゃないような気がしなくもないが、スクリーンに現われたのは紛れもなくジョン・マクレーンだった。舞台がどうこうとかアクションがド派手過ぎていくらなんでも有り得ねぇよとか関係なしにマクレーンの健在ぶりを拝めただけで嬉しかった。1作目の緻密な構成や伏線を変に意識することなく、思いっきり単純なストーリー構成にしたのも逆に好感。ボヤキながらも決して敵に臆することなく立ち向かっていく粋なオヤジに乾杯。
2007年/アメリカ/129分/監督:レン・ワイズマン
LIVE FREE OR DIE HARD
2009.02.04記

「英雄なんて、撃たれるだけだ」
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