60年代にヒットしたTVシリーズ「逃亡者」を完全オリジナル映画化した娯楽作。
妻殺しの容疑を晴らす為、逃亡を続けるリチャード・キンブル(ハリソン・フォード)と、執拗な追跡を続けるジェラード警部(トミー・リー・ジョーンズ)の息詰まる攻防。果たしてキンブルは汚名を晴らし、真犯人を探し出せるのか?
まずTVシリーズの「逃亡者」と比べてはイケマセン。テレビ・シリーズは、リチャード・キンブルの逃亡と、真犯人探しをからませた人情劇がメインのロード・ムービーです。この映画版はロード・ムービーの部分をバッサリと切り捨て、真犯人を機知で追い求める主人公と逃亡者を追い続ける警察という対比構成で、まとめてあるワケです。はっきりいって別の作品。
主演のハリソン・フォードがいいです。逃亡中なのに、潜り込んだ病院で子供を助けてあげる優しさとか、犯人探しの知力を駆使した行動ぶりとか。芸達者な助演陣にも助けられたのか、TVシリーズで故デビッド・ジャンセンが見せたどことなく頼りなさそうなイメージの逃亡者像を躍動感に満ちた新しい逃亡者に見事に作り変えてるカンジ。
そして、この映画でアカデミー助演男優賞を獲得したトミー・リー・ジョーンズ。さすがの演技でございます。連邦保安官という立場での傲慢、強引とも思える捜査ぶりも彼なら納得出来ます。時々垣間見せる人間味溢れる表情もキャラクターにピッタリ合ってて、敵役であるはずなのに憎めないんですよね。
護送車と列車の衝突シーンやダムからのダイビングシーンなど、アクションも満載。音響も素晴らしくイイので、出来れば大画面、大音響で見て頂きたい作品デス。
THE FUGITIVE