007/黄金銃を持つ男

ジェームズ・ボンド=ロジャー・ムーア。映画史上空前の近代兵器と最高の面白さを満載したシリーズ第9弾!黄金銃の秘密を追ってボンドが見せるウルトラ・アクションの連続!たっぷりお楽しみ下さい。

黄金銃を持つ殺し屋スカラマンガとボンドの対決を描いた007シリーズ第9作目。

ある日、M(バーナード・リー)の元に、ジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)の命を奪うと書かれたメモと共に1個の黄金の弾丸が届けられる。送り主は“黄金銃を持つ男"と呼ばれる一流の殺し屋スカラマンガ(クリストファー・リー)。正体不明、100万ドルで依頼を受け失敗を犯さないというスカラマンガ。ボンドの身を案じ、姿を隠せというMの忠告を半ば無視して、自らスカラマンガを倒すために香港へと向かうボンド。スカラマンガの愛人アンドレア(モード・アダムス)のいるホテルの部屋に忍び込んだボンドは彼女を脅し、スカラマンガが現れるというナイトクラブの場所を聞き出す。ナイトクラブへと出かけたボンドだったが、肝心のスカラマンガは見つからず、出くわしたのは黄金の弾丸をぶち込まれた死体。死んだ男は世界のエネルギー危機を解決する“ソレックス・アジテイター”なる装置を開発した直後に行方不明になっていた太陽エネルギーの研究者・ギブソンだった。ボンドは、ギブソンの最後の雇主である中国人実業家ハイ・ファット(リチャード・ルー)に会うためタイに赴くが…


なんじゃ、こりゃ。ボンドがとてつもなくカッコ悪いわよ!ボンド・ガールもイマイチだわ!モード・アダムスは少々老け顔ですがまだ許せる。デモ、グッドナイト(ブリット・エクランド)がとんでもなく足手まとい。散々ボンドに迷惑かけといて自分はノホホンとしてたりしますから。ボンド・ガールのなかでも1、2を争うダメっぷり。KORO的ワースト1は「ダイヤモンドは永遠に」のジル・セント・ジョンですが。

とにかくボンドがとんでもなくオマヌケ。序盤はカッコイイのにどんどんダメおやじ化。力士との対決シーンもそうだけど、へっぽこカンフーで戦うシーンとかカンフー少女に助けられたりとか、助けに来た味方の車に乗り遅れたりとか。ポカ〜〜ン。それと敵役スカラマンガのキャラクターが中途半端。黄金銃もカッコイイんだか、カッコわるいんだか微妙なデザイン。組み立てるシーンとかは面白いですが、組み立て終わると「エ?」な造型に。なんでも前作でニュー・ボンドとして現れたロジャー・ムーアを強く印象付けるために通常は前作から2〜3年後に製作されるのに、前作「死ぬのは奴らだ」の翌年に公開されたこの作品。どこからどう観ても惰性で作ったカンジ満載。セットも全体的にチープだし。

あ、壊れた橋から車でクルリンとダイブするシーンは面白かった。デモ、同乗してるのが前作にも出てきたペッパー保安官なのでKORO的にはイヤ。あのおじさんのシャベリがどうしても受付けない。それとコネリー・ボンドのイメージをまだまだ引き摺ってるムーア・ボンド像にも違和感。序盤でアンドレアを痛めつけるシーンなんてビックリ。コネリー・ボンドなら、それほど違和感ナイでしょうが優男風なムーア・ボンドがああいうコトすると、ヒドイッとか思っちゃう。売り子の男の子を躊躇いもなく騙すシーンも唖然。それでも英国紳士ですかッ!

ラストのスカラマンガとの対決シーンも緊迫感薄し。第一スカラマンガが全然強そうに見えない。彼と捩れた信頼関係で結ばれたニックナックとのやり取りは面白かったケド。007シリーズの中で「ダイヤモンドは永遠に」と共にアイタタな作品でした。
1974年/イギリス/124分/監督:ガイ・ハミルトン
THE MAN WITH THE GOLDEN GUN

「スカラマンガに○○が3つあるという設定もトホホ」
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