007/消されたライセンス

ジェームズ・ボンド、私情に走る。

007シリーズ第16作。友人フェリックス・ライター(デイヴィッド・ヘディソン)の結婚式に出席する為にフロリダを訪れたジェームズ・ボンド(ティモシー・ダルトン)は沿岸警備隊の連絡を受け、麻薬王サンチェス(ロバート・ダヴィ)をフェリックスと共に逮捕する。しかしサンチェスは脱走し、フェリックスに瀕死の重傷を負わせた上に彼の新妻を殺害。友のために立ちあがるボンドだったが、M(ロバート・ブラウン)から事件には手を出すな、との命令を受ける。しかも殺人許可証まで奪われるボンド。彼は友の仇を討つため、単身サンチェスへ近づいていく。


興行成績的には失敗作と言われてるようですが、ストーリー自体は面白いです。サンチェス役のロバート・ダヴィもイイ面構えだし。ムチ持ってるし。久々に悪役に魅力を感じマシタよ。デモ、スパイが私情に走っちゃイカン。国家の為に人を消すのではなく自らの怒りの感情から人を殺しちゃうボンド。う〜む、これは007番外編なのか?微妙に悩みつつ、鑑賞。

まぁギャンブルの腕前を生かしてサンチェスに近づいたり、サンチェスの愛人をしっかり誘惑して情報収集したりとか、仲間内で疑心暗鬼にさせて組織の壊滅を図ったりとか、スパイ映画らしい要素は確かにある。マティーニも出てくる。Qもボンドを心配して駆けつけてきたり。あぁ、どうもやはり007映画らしいぞ?デモ、やっぱりボンドが復讐の為に動いてるのは違和感。それとサンチェスの愛人ルペ役のタリサ・ソトはキレイだが、ボンドを助けるパム(キャリー・ロウエル)がKORO的にはいまいち。それにダルトン・ボンドは非情な部分と紳士的な部分を合わせ持ったボンド像を一番表現してたと思うケド、色っぽいシーンになるとダメかも。エロ紳士なボンドも好きなKOROとしては彼はちょっとお堅いのよね。犬顔なのも気になる。

クライマックスのタンクローリーでのチェイス・シーンも迫力があり、全体的にレベルの高い作りとなっておりますが、終始KOROの心の奥底でボンドがムキになってる、ボンドが感情で行動してる、ボンドが007としてではなく1人の人間として怒りに燃えて復讐してる…という声が鳴り響き、素直に楽しめなかったのは確か。

いつになく感情的なボンドの人間臭い部分が観たいという方はどうぞ。
1989年/イギリス・アメリカ/133分/監督:ジョン・グレン
LICENCE TO KILL

「ベニシオ・デル・トロがサンチェスの愛人役(?)で出演」
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