ターミネーター

核戦争後の焼け跡で機械は再び立ち上がり、人間を滅ぼす戦いを続けた。だが、その最終戦は未来ではなく現代のLAで行われようとしている。──今夜…

未来で繰り広げられている人類対機械の果てしない闘い。機械軍の圧倒的な攻撃力の前になす術のない人間達は絶滅の危機に瀕していた。しかし、ある男の出現により戦局は一変。壊滅の危機を感じた機械軍は状況を打破する為に人類のリーダーであるジョン・コナーを歴史から消すべく1984年のロスへ殺人マシーン、ターミネーター(アーノルド・シュワルツェネッガー)を送り込む。目的は、後にジョンを産むことになるサラ・コナー(リンダ・ハミルトン)の抹殺。サラ抹殺の任務の為に容赦なく人間達を殺戮していくターミネーター。だが同じ頃、機械軍の企みを知ったジョンの命を受け、サラを守るためにある男も未来からやってくる。男の名はカイル・リース(マイケル・ビーン)。

ターミネーター対サラ&カイルの壮絶な戦いが始まる。


もう何度観たか憶えてられないくらいに繰り返し鑑賞したミーのオールタイム・ベストなこの作品。観直してみると低予算だったのがバレバレなチャチな作りなんですが、ジェームズ・キャメロン監督の面白い作品を作ろうという意気込みが全編を通して伝わってくる素晴らしい作品。実際、ミーはこの作品を公開時に映画館で観たワケですが、正直たまげた。ターミネーターの容赦ない追い込みぶりに震えた。まるっきり知らない役者しか出てないし、キャメロンとかいう監督も全然知らないがスンバラシク面白いぞ!ムチャクチャ恐いぞ!と大興奮したものでしたよ。シュワちゃんが静かに登場するシーンからスクリーンに釘付け。え、別にシュワちゃんの○○とか××とかを拝みたかったワケじゃないですよ?失礼ね。この作品が公開された時のKOROちゃんはご老体じゃなかったのよ!まだまだ花も恥らう乙女だったのよ!恋に悩む純情な女の子ちゃんだったんだから!多分。もう昔のコトなんで忘れた。KOROの思春期時代の話はともかく。

傑作娯楽作品でございます。2029年のロサンゼルスの様子から物語ははじまります。キャタピラに踏み潰される無数の人骨。機械が意志を持ち、人間を敵とみなして攻撃を繰り返す未来。その描写を背景に「…しかしその最終戦は未来ではなく現代のロスで行われる…今夜」と映し出される文字。そしてタイトル。このテーマ曲がまた名曲なんだ!これからナニがはじまるんだ!どんなことが起こっちゃうんだ!否がおうにも期待が高まる。一転、舞台は現代のロス。怪光が飛び交う中、いきなり現れる謎の男。しかも素っ裸。こいつは一体何者だ?素っ裸な上に筋骨隆々でしかも超人的に強いぞ?一方、同じ頃路地裏でも怪光と共に一人の男が現れる。こちらも素っ裸ですよ!但し先ほどの男とは違って華奢だしスバ抜けた身体能力もない模様。しかもその身体は傷だらけ。2人の目的はどうもサラ・コナーという女性の模様。

ほとんどなんの説明もないままにストーリーはどんどん進んでいくんだけど、少ない台詞でそれぞれのキャラクターが置かれた状況が的確に表現されてるのよねぇ。サラという女性がどんな女の子かというのもほんの数分のシーンで見事に表わしている。時折り、織り込まれる未来の様子もほぼ台詞はないのにどういった状況なのかキチンと映像で説明されてる。ホント、スゲェよ。

未来からやってきた殺戮マシーンと繰り広げる死闘。息もつかせぬアクション。そして時空を超えた愛。108分間、一時たりとも目が離せませんよ。キャラクターも非常に魅力的。残虐非道なターミネーターのどこまでも諦めない執拗さに怯えながらも惹かれちゃいマシタよ。アンタ、正真正銘のプロだな。血も涙もない殺戮マシーンなのに魅力的すぎるよ。カイルもイイ。絶望的な状況の中、必死にサラを守り抜こうとするカイル。彼が見つめる一枚のスナップ。そのシーンだけで何故、彼が自ら志願して1984年にやってきたのかが判るのよ。

サラ役のリンダ・ハミルトン。正直言ってアップになると皺が目立ってオバ臭いし、全然綺麗じゃないんだけど妙に魅力があるんですよねぇ。序盤はどこにでもいる学生ってカンジなのが徐々に何故カイルがここまで自分を守ろうとするのかを理解していくにつれ、生き抜くために強く、そして未来に思いを馳せ、悲哀に満ちた表情になっていくのがいい。あのどこか哀しげな瞳に惹かれてしまう。クライマックスで彼女が「立つのよ!ソルジャー!」とカイルを叱咤するたった一言の台詞。彼女の奥に眠る強さ、生き抜いてやるという意思があの一言に表れていて震えた。泣いた。

デビュー作「殺人魚フライングキラー」で苦汁を嘗めたジェームズ・キャメロン監督が低予算ながらも、娯楽に徹したタイトなストーリー展開と息もつかせぬアクションの連続、そして時空を越えた愛も描くというサービス満点のA級作品に引けを取らない超一級のアクション映画を観せてくれます。
1984年/アメリカ/108分/監督:ジェームズ・キャメロン
THE TERMINATOR

「I'll be back」
アイ★ラブシネマTOPに戻る