近未来を舞台にタイムトラベルを悪用し、過去に戻り世界を支配しようと企む集団と時間の秩序を守る“タイムコップ”との戦いを描いたジャン＝クロード・ヴァン・ダム主演のSFバイオレンス・アクション。

タイムトラベルが実現した近未来。しかし、過去を変えて私腹を肥やそうとする者があとを絶たないため、タイムトラベルを監視する時空管理委員会が設置され、タイムコップ達がタイムトラベルに関する犯罪捜査に当たっていた。過去に妻を殺された捜査官ウォーカー（ジャン＝クロード・ヴァン・ダム）は、捜査中に大統領候補のマッコム上院議員が過去を変え権力を握ろうとしていることを知る。彼は捜査を続けるうちに妻の死にマッコムが関与していることに気づき、マッコムの逮捕を目論む。しかしそんなウォーカーの行動に気づいたマッコムは、先回りしてウォーカー抹殺のため過去に殺し屋を送り込む。

「カプリコン1」、「2010年」のピーター・ハイアムズ監督がヴィジュアル・コンサルタントに「ブレードランナー」のシド・ミードを招き、最新のCGを駆使して描いた作品。デモ、いまいち。やっぱりジャン＝クロード・ヴァン・ダムは肉体を駆使して戦わなきゃ！跳んだりはねたりしなくちゃ！時間刑事？それって宇宙刑事ギャバンの親戚ですか？もっとアクションを！

ストーリーも過去と未来を行き来するワケですからタイムパラドックスが生じるはずなのに、そこらへんの辻褄があってないラストにもあれ？ってカンジ。シード・ミードによるデザインのタイムマシンはそれなりにカッコイイけど。でもやはり「ブレードランナー」の影は拭えずってカンジです。

数々のタイムトラベルものの作品が作られてきましたが、タイムトラベルによって生じてしまうタイムパラドックス、それの説明が充分でないとこの手の作品は楽しめないと思います。歴史は変えるコトが出来るのか？変えたとしたら未来にどんな影響を及ぼすのか？一度組み立てられた歴史というパズルをバラバラにしてまたピタリと組み立て直す、そういったカンジがこの作品には欠けている気が致します。

アクション映画にちょっとSFの味付けをしたってカンジなんでしょうが、肝心のアクションもあまりなかったのでどうにも中途半端な印象でございました。
1994年/アメリカ/99分/監督:ピーター・ハイアムズ
TIMECOP