ニュー・ジェームズ・ボンド世界を翔ける!
「ゴールデンアイ」に続く、ピアース・ブロスナンのニュー・ジェームズ・ボンドの第2弾にしてシリーズ第18作。
英国艦デヴォンジャーは、中国領海近くを航行中に中国戦闘機ミグから“領海侵犯”であると無線を受ける。やがて「中国ミグ戦闘機にやられた」という打電を最後にデヴォンジャーからの通信が途絶える。ミグもミサイルを打ち込まれ爆発。互いの仕業と思い、イギリスと中国は一触即発状態に陥る。しかし、全ては世界の情報を牛耳る“メディアの帝王”エリオット・カーヴァー(ジョナサン・プライス)の操るステルス艦の仕業だった。衛星情報を操作し、誤った座標位置を送る事で、第3次世界大戦を誘発させ、そのニュースを独占しようという企みなのだ。事件の背後に何者かの陰謀を感じ取ったイギリス諜報部は、ニュースをいち早く報道したカーヴァーを調査すべく、カーヴァーの妻と過去に関係のあったジェームズ・ボンドを派遣する。タイムリミットは48時間。ボンドは第3次世界大戦を止められるのか?
冷戦終わって久しい現在、敵役がメディア王という設定はいかにも今風。デモ007映画なんだから、悪役としての格とゆ〜か、もっと荒唐無稽なキャラクタでなくちゃってカンジ。ジョナサン・プライス自体は悪くないケド、途中からただのヤキモチおやじが嫉妬に狂って無謀な行動をしてる感がなきにしもあらず。惜しいですなぁ。
しかし今回のボンド・ガールであるミシェール・ヨーの存在がそれを補ってなお余るとでも言うんでしょうか。イイ!とにかくイイッ!007シリーズでカンフーはどうよ?ってカンジだけど。強くてキレイなお姉さんはホントにステキ。ボンド・ガールというよりは立派に007の相棒的存在。
今回登場するボンドカーはBMW750iL。アストンマーチンじゃないのは少々不満。デモ、機能的にはかなり好き。防弾ガラスに盗難防止機能(駐車中にはドアノブに電流が流れるステキ装備)はもちろんのこと、指紋照合式金庫にGPS追尾システム、マシンガン&ロケット弾や後方にばら撒くまきびし(?)、パンク自動修復装置、フロントのBMWマークにはワイヤーカッター機能アリと今まで以上に過剰装備。至れり尽くせりですなぁ。一番の目玉は携帯電話からの遠隔操作可能なんてスーパー機能。ボンドが携帯のディスプレイを見つつ、BMWをガンガン操作してるシーンは、かなり楽しいデス。あまりの丈夫ぶりにハンマー持ち出してぶっ壊そうと苦労してるカーヴァーの手下くん達の様子も笑えたり。
しかし、一番の見所はミシェール・ヨー扮するウェイ・リンと2人乗りしたバイクで繰り広げるアクション。もう大興奮。しかも2人は手錠でつながれたまま。バイクのハンドルを右手と左手を片方ずつ握って、ヘリと車の追跡をかわしながらアジアの狭い市場を駆け巡ります。スゲェ。
ただ、クライマックスでのステルス艦内での戦闘はちょっといただけないかも。ボンドはスマートでなくちゃイカン!両手に銃を持ってバンバンやってちゃダメな気がします。
1997年/アメリカ/119分/監督:ロジャー・スポティスウッド
TOMORROW NEVER DIES