見たこともない!いま、新しい大冒険映画をハリウッドは創り上げた。
西暦2084年。地球に住むダグラス・クエイド(アーノルド・シュワルツネッガー)は行ったはずのない火星の夢を連日見ていた。本物そっくりの記憶を得られるというリコール社のCMを見て、夢による疑似体験を受けようとした事から何者かに命を狙われ始め…
フィリップ・K・ディックの短編小説「追憶売ります」を基にしたポール・ヴァーホーヴェン監督的悪趣味爆発の怪作。
おばさんの顔が割れてシュワちゃんの顔が現れるシーンや鼻からあるモノを取り出すトコ、火星の町並み、エンディングの○○飛び出しシーンなど監督のエゲツなさ(褒め言葉)が遺憾なく発揮されてマス。一歩間違えばかなりヤバイです。もう1人の自分とかアイデンティティなどという重たげなテーマをこれでもかっというくらいにハイテンションな映像にしちゃった監督に脱帽というか、何も考えてないだろというか。
リコール社での体験で徐々に目覚めた(らしい)主人公。地球でのダグラス・クエイドというのは仮の姿で火星でのレジスタンス活動に協力する諜報員ハウザーが真の姿なのだ!と。まぁここらへんは作品観てよく考えると真実が判ります。ふ〜クエイドったら…ってカンジです。ちなみにKOROは気付きませんでした。そっちの方が作品楽しめるので、何も考えずに観た方がよろしゅうございます。そういう意味でこういう役はシュワちゃんじゃなきゃ!やっぱり彼みたいにストレートな人格ぢゃないとウソになっちゃいますわ。目的即実行!みたいな。
妻役でシャロン・ストーンが出てマス。少しぽっちゃりでカワイイです。悪女だったりするんですが、ヒロインのレイチェル・ティコティンとの壮絶バトルがイイです。「ナニよ!アンタッ!」、「ふんっ、アンタこそナニよッ!」ってカンジ。レイチェル・ティコティンがあんまりキレイじゃないつ〜か個性的すぎてKOROの好みじゃないのはちょっとマイナスだったり。
あ、忘れちゃいけないわ!敵役のマイケル・アイアンサイド!あの悪人面が大好きなの!古いトコでは「V〜ビジター〜」とか「ハイランダー2」とかに出てます。あの一瞬で目を引く人相、雰囲気、演技力、素晴らしいデス。変な役を嬉しそうに怪演する彼を観るとゾクゾクしちゃいます。この映画ではオマヌケですケド。
未来を舞台にしているのに、クエイドが働く建築現場が現代の風景そのままだったり、火星でのセキュリティシステムが妙に手抜きだったりとハァ?な部分や、仮想なのか現実なのかと言うトコをもっと強調した方が面白いのにという気もしますが、シュワちゃん映画の中でも上位にランクする作品です。
1990年/アメリカ/113分/監督:ポール・ヴァーホーヴェン
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