史上最大の頭脳戦、勃発！

数ヶ国語を操り、世界を股にかける自称・三流のペテン師が、仲間とともに上海と東京で究極の頭脳戦を展開する。

20世紀初頭の上海。西洋と東洋の文化が混沌とし、野心と欲望が渦巻く、この街を闊歩する謎めいた1人の日本人がいた。彼の名は伊沢修（織田裕二）。甘いマスク、鋭い頭脳、修羅場を何度もくぐり抜けてきたタフな精神力を武器に、仲間のパク、陳らと共に金持ちや悪党を次々に手玉に取ることを生業とするペテン師。今日も武器商人・黄を騙して大金を巻き上げた。

そんな伊沢の腕に目をつけた男がいた。清朝の打倒を目指す中華黎明会の若きリーダー、関飛虎（邵兵）。彼は騙されたと気づき、怒り狂った黄が放った最強の暗殺集団・赤眉の殺し屋に襲われた伊沢を間一髪のところで助ける。そして身を守ることを条件に、伊沢を革命計画の仲間に加われと言うのだ。自分は三流ペテン師で革命や国を動かすなんて、荷が重過ぎると断る伊沢だったが、断れば黄の放った刺客に殺されるか、命の恩人の頼みを断った恩知らずとして殺されるかのどちらかだ。渋々、関の革命計画に加わることに。伊沢に与えられたミッションは、日本陸軍の東正信中将（渡辺謙）を騙して、上海に運び込まれる日本軍の最新武器を奪うこと。目前に差し迫った武装蜂起の為には大量の武器が必要なのだ。東は陸軍一の若きエリート。頭脳明晰にして猜疑心の固まりで一分の隙もない完全主義者。騙す相手として最悪の東のプロフィールに、及び腰の伊沢。しかし関や革命グループの一途な情熱に衝き動かされ、最強のターゲットを落とすべく、伊沢の明晰な頭脳が動き出す。自称・三流ペテン師は不可能としか思えない戦いに勝利することが出来るのか？

何も聞かないで！織田裕二主演の映画を観ることがあるなんて、夢にも思いませんデシタよッ！…友達が異常に織田裕二ファンで、どうしても観たいというのでお付き合いしマシタ。織田裕二が登場した途端、没頭している友達を横目に「織田裕二の髪型はペテン師としてどうよ？現代なら問題ないが舞台は20世紀初頭の上海だぞ？そんな髪型でカタギに見えるかッ！切ってこい！七三にしろッ」と心の中でシャウトしたのはナイショです。どんな映画に出ても織田裕二には織田裕二のスタイルというものがあり、それを崩せんのかなぁと思ったり。まぁ彼の作品は「BEST GUY」以外、観たコトがないので断言出来ませんが。「踊る大捜査線」も観たことないし。

まぁ髪型なんて細かいコトに拘っちゃいけないワ。ストーリーが面白ければそんなコトは些少な問題なのだよ。さぁ、華麗な騙しのテクニックでミーを酔わせられるものなら、酔わせてみろッ。カモ〜〜ン。…鑑賞後。約100分の作品なのにストーリー展開に緩急がなく、何度も睡魔に襲われマシタよ。それと詐欺師が主役で騙しのテクニックで手ごわい相手を頭脳戦でコロッと騙すお話しなのに、これっぽちもカタルシスを感じませんデシタ。中国大陸と日本を舞台に数ヶ国語の言葉が飛び交っていたのにスケールの大きさも感じられず。「スティング」を意識したらしいケド、片腹痛いわッ！クライマックスの展開に呆然。この作品は天才詐欺師のお話でしょ？そんなラストじゃいけないでしょ？

BAD GUYの香りを漂わせた、COOL&SMARTな新しいヒーロー像に織田裕二がチャレンジしたエンターテイメント大作（公式サイトより引用）を是非とも観たいという方はどうぞ。違う意味で騙されるコト必至です。
2002年/日本・中国・韓国/104分/監督:大森一樹
T.R.Y.