米ソの宇宙ロケットが、次々と行方不明になるという事件が発生。事件の背後にスペクターの影を感じ取った英国情報部は、ジェームズ・ボンド（ショーン・コネリー）を日本へ派遣する。日本の情報部局長、タナカ（丹波哲郎）の助けを得て、ボンドはスペクターの秘密基地に潜入する…

日本での大掛かりなロケが行われた007シリーズ第5作目。

ボンドの宿敵、ブロフェルドをドナルド・プレザンスが演じています。個人的にはテリー・サバラスがいいんですが、プレザンスもなかなか。大掛かりな日本ロケ&日本人ボンドガール（浜美枝ですよ、奥さん！）と、宇宙にまで舞台を広げたストーリーの微妙なミス・マッチ具合が何とも言えません。ナンシー・シナトラの歌う主題歌と、蛇の目傘がバックに映るタイトルバックも「ちょっとマテ」とツッコミたくなるほど奇異ですが印象に残るコトにかけてはシリーズ1、2を争うんではないかと。

まず日本に潜入したボンドは周囲に溶け込む為に日本人に変装します。デモ、ちっとも日本人に見えません。逆に怪しさ満開。変装する時のシーンも笑えた。漁師に変装するんですが、変装というより扮装？ってカンジ。それと浜美枝のボンドガール。若林映子演じるアキはけっこう好きだけど、彼女はKORO的にいまいち。毒がないもん。ついでに名前がキッシー。変な名前だし、演技も今いちだし。

他にもこの作品はツッコミどころ満載デス。謎の女アキを追うボンドが落とし穴から落ちるシーンとか。タナカ専用の豪華地下鉄？とか。姫路城っぽいお城で真剣に訓練に励む忍者とか。因みに実際に姫路城で撮影したのですが、その際にわざとではないとはいえ、城壁を手裏剣でガッツンガッツン、刀でザクザクと傷つけたらしい。この作品のせいで現在の姫路城は映画の撮影を一切許可してないとか。あらまぁ。

潜入捜査の為に偽装結婚したキッシーに「一応夫婦役なんだから一緒に寝よう」と妙に哀願口調のボンドには失笑。スペクターの秘密基地を調べる時に小石を投げて「これは湖じゃない。金属だ」とか言うシーンに爆笑。その後吸盤でペタペタしながら潜入するボンドの姿にコメディなのか？と真剣に悩みマシタよ。そして忍者がワラワラ現れて銃と刀で戦うシーンは変すぎて逆に愛おしい。一体いつの時代の日本なんだ？しかし一番のツッコミどころはあの秘密基地ですヨ。あんなもん作ってる間、誰にも気付かれなかったのか？まぁ、ケン・アダムのデザインは相変わらず素晴らしいデス。デモ、やっぱり変だ。

オカシイところを挙げればキリがない作品ですが、なんともいえない奇妙な東洋テイストとケン・アダムによる敵アジトのステキすぎるデザインのおかげで007シリーズの中でも気に入ってる作品です。
1967年/イギリス/117分/監督:ルイス・ギルバート
YOU ONLY LIVE TWICE