東西均衡のバランスを揺るがしかねないミサイル誘導装置ATACの行方を追う、ジェームズ・ボンドの活躍を描いた007シリーズ第12作目。
ギリシャ沖でミサイル誘導装置ATACを搭載したイギリス監視船セント・ジョージ号が爆破により沈没。船に積まれていたATAC引き上げ作業に当たっていた海洋考古学者のハブロックも何者かによって殺害される。この事件の解明を命じられたジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)は調査のため、マドリッドヘ飛ぶ。しかしハブロック殺害の容疑者であるゴンザレスは、ハブロックの娘のメリナ(キャロル・ブーケ)が放った矢により絶命。ボンドはメリナと共に何者かに雇われた殺し屋一団に命を狙われる。ロンドンに帰ったボンドは、Qの助けを借りて殺し屋の1人がロック(マイケル・ゴダード)という男だということをつきとめる。ロックの足取りを追って北イタリアのスキー・リゾート地に向かうボンド。果たしてボンドはATACを無事、取り戻すことが出来るのか?
冒頭の○○○に花を手向けるボンドにムーア・ボンド特有の叙情を感じた。なんかコネリー・ボンドに対しておちゃらけムードしかないようなムーアお爺ちゃんのボンドですが、そんなことはない。意外とシリアスだ。「私を愛したスパイ」でもアニヤに言われた一言で一瞬クールな表情になったりするのだ。まぁそのあとのシークエンスはおバカさ満開ですけどね。「ボンドく〜〜ん」
しかし、さすがにムーア・ボンドも50代半ばとなって老いが目立つなぁ。まぁスタントマンがすごい頑張ってるのでアクションはムーア・ボンド作品の中でも屈指の出来ではないかと。やっぱり007映画は雪山ですよ!スキー・アクションですよ!有り得ない角度で滑降ですよ!あ、肉体派007をアピールしたいのか、この作品では秘密兵器がほとんど出ない。ボンド・カーのロータス・エスプリもチラッと出てくるが活躍の場はなし。代わりにおんぼろシトロエン2CVが頑張る、頑張る。
オープニング・タイトルに主題歌を担当したシーナ・イーストンが出てたり。はっきり言ってKORO的には不要。お好みじゃないですから。シーナ・イーストンはどうでもいいのよ。ボンド・ガールですよ。キャロル・ブーケですよ。美しいねぇ。ロング・ヘアーがまたよいねぇ。ムーア・ボンド作品で1,2を争うお美しさだ。個人的には「私を愛したスパイ」のバーバラ・バックも捨てがたいので。
あ、もう1人のボンド・ガールなのか?リン=ホリー・ジョンソン演じるビビに戸惑うボンドに笑った。さすがにあんなお嬢ちゃんにまで手を出すつもりはないらしい。それに対してイケイケのビビ。まぁ、いくらなんでもあんな娘っ子にはエロ紳士ボンドも食指は動かんと思う。ロリだよ、ロリ。
オープニングのヘリコプターでの空中スタントにシトロエンでのカーチェイス、スキーアクション、銃撃戦、ついでに水中での格闘シーンもあればロック・クライミングもやっちゃうよとスリリングなアクションシーン満載な肉体派ボンド強調作品。そしてワインおじさんも登場。ラストの英国首相とのやりとりもオモロ。「キスして、キスして」
う〜む、通常版しか持ってないので特典映像満載のアルティメットバージョンのDVDを大購入してスタントシーンとか舐めるように観たい。
アクションシーンは大満足だけど全体的にBGMが軽いのは、やや減点。ビル・コンティが担当したせいなのか?
1981年/イギリス・アメリカ/128分/監督:ジョン・グレン
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2008.05.04記