線路は続くよ、人生も
大阪駅構内に集まる男女。彼らは詐欺師チーム。だが、3年前にチームで行った仕事で仲間に金を持ち逃げされ、リーダーだった志方(椎名桔平)は、それ以降腑抜けた生活を送っていた。チームのメンバーだった久津内(田辺誠一)が今回、リーダーを買って出て北海道での物販詐欺のためにチームを久々に招集する。志方、久津内、そして宝田(中谷美紀)、佐々木(妻夫木聡)。宝田の紹介で今回新たに加わった横山(八嶋智人)ら5人は、大阪駅からトワイライトエクスプレスに乗り北海道を目指す。途中で3年前に金を持ち逃げした今井(伴杏里)が皆の前に現れる。久津内の仲裁でチームに加わることとなる今井。北海道での仕事は大成功を収め、一行は再びトワイライトエクスプレスで帰途につくが、翌朝目覚めると金の入ったトランクが忽然と消えていた…。裏切り者は誰だ?
詐欺師の話しなのに、詐欺を実行する場面は一切、出てこない変テコな作品。ついでにコンゲームを描きたいようなのに、会話に面白さがなく作品としての出来はかなりダメ。豪華列車内で繰り広げられるコンゲームとか詐欺師の群像劇という作品紹介の文言にうっかりしっかり騙されて変に期待してしまったのがミーが間違ってマシタ。オリエント急行と思って乗ったら、シベリア行きだったみたいな。
志方のキャラが掴めないのも難。アンタ、なんでそんなに腑抜けてんのかと。そこまで落ちぶれる理由が判らん。のど飴中毒の理由がこれまた失笑。そんな男にミーは未練もクソもありません。斬り捨て御免だなぁ。宝田、目を覚ませよ。演技自体はいいんだけどねぇ。中谷美紀もぶっきーも八嶋智人もなかなかの演技っぷり。そのおかげで今井役の伴杏里の大根演技が悪目立ちしてるのはどうなのかと。他の出演者に比べて明らかに下手すぎるのが痛過ぎる。今井役はもっと芸達者なボインちゃんにしてチョンマゲ。あ、忘れてた。田辺誠一。ま、多分巧いんじゃないの?伴杏里よりは。けっこう情けない役が合ってる気はする。
とにかく会話がつまらなすぎて、無駄なおしゃべりしてるようにしか映らない。ギャグがギャグになってない。洗練されてない。ババロアちゃんとか、マロンちゃんとか言ってんじゃねぇよ。
肝心のスーツケースのトリックが稚拙で泣けた。○○が○○○に○○なかったら、どうするつもりだったんだよ。第一、スーツケースを用意したのはアンタじゃないでしょ。詰めが甘いよなぁ。コンゲームはもっとハラハラドキドキ、丁々発止な展開がないとねぇ。騙しあいをしている感が薄い詐欺師の話デシタわ。
2004年/日本/100分/監督:大谷健太郎
約三十の嘘
2010.09.19記