40歳の童貞男

遅くて何が悪い!

家電量販店で働くアンディ(スティーヴ・カレル)は、フィギュア収集やテレビゲームをこよなく愛するオタクな40歳の独身男。ある日、仕事仲間とポーカーをしている際に女性のおっぱいを「砂が詰まった袋みたいな感触」と発言してしまったことから童貞であることを知られてしまう。その事実に仕事仲間のデヴィッド(ポール・ラッド)、ジェイ(ロマニー・マルコ)、キャル(セス・ローゲン)の3人はどうにかしてアンディに童貞を捨てさせようと色々と世話を焼き始める。

バーでナンパの手ほどきをされたり、出会い系パーティに連れて行かれたり。しかし女性を崇高なものと考えているアンディは彼らのアドバイスに今ひとつ納得出来ないでいた。そんな中、ネット競売の仕事をしているトリシュ(キャサリン・キーナー)に出会ったアンディは今までにない心のときめきを感じるのだが─。


全米で思わぬ大ヒットとなった当作品。日本での公開予定はなくDVDスルーだったものの、ユニバーサルの宣伝部などの働きかけにより劇場公開されたとか。某映画批評サイトで割りと褒めてたんで観てみようかなぁと思ったが、ミーの地元の映画館では上映されなかったような気がする。デモ、速攻でDVDが出たんで観た。感想を書くの忘れてたけど。だって、評判ほど笑えませんでしたから。いや、決してこの作品がオモロクないワケではないと思う。ミーの笑いのツボとかなりズレてるだけだと思う。

童貞男のアンディですが、決して筋金入りのオタクってワケじゃない。真面目に働いてるし、隣人や同僚とのコミュニケーションもちゃんと取れてる。部屋は清潔にしてるし、エクササイズも欠かさず料理も作る。ただ趣味がフィギュア集めとテレビゲームってだけ。何よりけっこう男前。多少、服装のセンスに問題があるけど許せる範囲。真面目すぎて機会を逃しただけの中年男なんですわ。

アンディの発言をきっかけに彼が童貞であることを知った同僚3人組がアンディ・ロストヴァージン作戦に燃えるワケなんですが、どうにもノリが悪い。肝心のアンディが積極的に童貞を捨てたいと思ってるワケでもないのに不平を言いながらも3人に言われるままに行動するのが理解出来ない。DVDの字幕が悪いのか、ミーの感覚がおかしいのか、とにかく笑えない。唯一、爆笑したのは脱毛シーン。あのシーンでのアンディの絶叫ぶりはかなりウケた。それとエスティシャンのミカのリアクションが素でオモロい。「2で抜いたな〜!このクソ女ッ」と普段は紳士的なアンディが悪態を吐くシーンにバカ受けしました。メイキングを観たケド、あのシーンってホントにスティーヴ・カレルの自毛を抜いてんのね。そりゃ拷問だ。正に身体を張った笑いだ。

爆笑につぐ爆笑って展開じゃなかったケド、登場人物はみな好感が持てた。同僚3人組があぁだこうだとアンディに女を落とすテクを披露するワケですが、その3人がどう見てもモテなさそうなトコが笑えるつ〜か(ジェイだけはそこそこモテるかもな)。トリシュ役はKORO的には全然好みじゃないんでスルー。やつれた田中真紀子にしか見えなかったもんで。別におばちゃんでもいいんだが、もうちょっと包容力のあるタイプが良かったかも。第一、いい年したおばちゃんが彼氏がエロビデオ持ってるくらいでフツー怒るか?出番は少ないがバカ丸出し、○ロ○きっぱなしのお姉ちゃん役のレスリー・マンと、やはりチョイ役だがエリザベス・バンクスが出てたのが慰めといいますか。トリシュの娘役のカット・デニングスもKORO好みデシタ。体型がどすこいなのには驚いたが。

女と付き合わない=ゲイと思われるみたいな強迫観念がアメリカ人にあるのかなぁと、この作品を観て改めて思った。あちらでは草食系男子とか言ってたら「お前らゲイ」という烙印を押されちまうんでしょうか。アンディがゲイと疑われるのを恐れてるような描写もなかったし、かといって「ヤリたくてたまらん」ようにも見えなかったし、最後まで童貞を捨てようとする動機がはっきりしなくて感情移入出来なかったというのが正直なトコロ。ラストの「アクエリア〜ス」もいまいちノレなかった。
2005年/アメリカ/116分/監督:ジャド・アパトー
THE 40 YEAR OLD VIRGIN
2009.08.16記

「ゴールドマン局長のフィギュア」
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