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文豪への第一歩〜序章〜

幼き頃からミステリーの面白さに取り付かれた私が目指したものは日本のアガサ・クリスティでした(は?)。あれは小学2年生でした。幼なじみと合作で推理小説を書こうと企てました。合作ならば目指すはアガサ・クリスティではなくエラリー・クィーンのような気もしますが、意識していたのは藤子不二雄です。この時点でかなり方向性が間違っているのは明らかです。なんでミステリーで藤子不二雄なんやねん!です。まぁ小学生が考えることですから。

私がストーリーを、清書を幼なじみのUちゃんが担当です。ここでまず一悶着ありです。私がストーリーを考えるのだから印税(その頃覚えたての言葉で使ってみたかった)の取り分は6対4だ!と私が主張したのです。Uちゃんも負けてはいません。私のキレイな字で書かないと、あんたの字だったら何が書いてるか判らん!(手書きで本を出すのか?)しかも私の方が年上だ!年功序列というもんを知らんのか!Uちゃんは1つ上だったのです。小学生の頃のいっこちがいは大きいです。

仕方なく五分ねと話がつきましたが、完成もしてないし、小学生の書いた小説を出版してくれる奇特な出版社があるワケないだろうに書く前から印税でモメルお子ちゃま2人はかなりすっとこどっこいでございます。

さて内容ですが、はっきり言ってパクリです。アガサ・クリスティを目指し、藤子不二雄を意識しながら小説の内容はまるっきりシャーロック・ホームズを真似たというとんでもなく何がしたいんだ、君たちは!な状態です。以下その時書いた小説の出だし。

「ところでお願いがあるのですが」

「いや!言わなくても判っているよ。あなたは消えた100万ドルを探して欲しいのですね。そしてあなたは医者だ」

「何故、それが判るのですか!さすがは名探偵と名高いお方だ。しかし不思議です、職業まで判るとは…」

「簡単な事ですよ、レッドフォードさん。あなたの手は異常に白い。いつも手を洗っている証拠です。それより100万ドルが消えた時の様子を詳しく聞かせてもらえませんか?」

「ええ、判りました。しかしどこからお話しすればいいのか…。とにかく100万ドルは密室状態の列車の中で消えたのです」

「密室!ふふん、興味を惹かれるじゃないか。なぁ、ロレンツくん」

出だしからダメダメな匂いぷんぷんです。手が異常に白かったらみんな医者かい!手袋をいつもはめてるゴルファーかもしれないちゅ〜に。とゆ〜かなんの前触れもなく、「ところで」で始まる文章も疑問です。100万ドル持って列車に乗るお医者さんとは仕事帰りのブラック・ジャックさまですか?とにかく大金、名探偵、密室とか書けば面白いと思ってる雰囲気です。もちろん気の向くままに考えるので謎解きなど全く頭になし。

すぐにネタにつまり8ページほどで共同執筆&印税ウハウハ小学生ミステリー作家誕生の夢は途絶えました。当たり前です。しかし性懲りもなく私は第二の作品への野望を燃やしていました。小学校の国語の授業で出された創作文の宿題で当時熱狂的ファンだった「刑事スタスキー&ハッチ」を主人公にした冒険活劇チック小説を大発表!しかも規定の原稿用紙2〜5枚程度を大幅に越える10ページという大作(ぇ?)

それを得意げに朗読する私と唖然とした表情のクラスメイトと先生の顔は今でも忘れることが出来ません。みんなは“僕が無人島にいったら”とか、“お菓子の国”などというタイトルなのに私のは“刑事スタスキー&ハッチ〜死神伯爵の地獄島〜”なんてタイトルですからねぇ。それ以降学級新聞の作成時にはお声がかからなくなったKOROでした。