夫たち、妻たち

ニューヨークに暮らす2組の夫婦の愛の崩壊と再生を描いたドラマ。長年のパートナーであったウディ・アレンとミア・ファローの最後の共演作品。

マンハッタンに住む大学教授のゲイブ・ロス(ウディ・アレン)と美術関係出版社に勤めるジュディ(ミア・ファロー)夫妻はマンハッタンの知的エリート層を象徴するかのようなカップル。お互いを尊重しながら仕事に励み、私生活もエンジョイする。傍から見れば理想的なカップル。ある日の夜。共通の親友であるジャック(シドニー・ポラック)とサリー(ジュディ・ディヴィス)夫妻との会食の席上でジャックたちから別居すること、いずれは離婚することになるだろうと告げられる2人。まるで他人事のようにサラリと離婚話について語る当の本人たちとは裏腹に動揺するゲイブとジュディ。特にジュディは子供を作ろうとしない夫との間に最近しこりを感じていたため、ショックが大きかった。サリーは結婚生活が破綻した原因はジャックの女グセの悪さだと語る。「ジャックの今の相手はエアロビクスのインストラクターでその子に彼は夢中なのよ」とこともなげに言うサリーに唖然とするばかりのゲイブ夫妻。だが、ゲイブとジュディもある思いを胸に秘めていた。


ウディ・アレン作のシニカルな大人の映画。おバカ映画第一主義のミーだって、たまには大人チックな作品だって観るぞ。どういう経緯で観たのか、さっぱり記憶にないが多分ジュリエット・ルイス目当てであろうと思われる。ゲイブの教え子役で出てましたから。初々しさの中にもエロな雰囲気漂わせてマシタから。ジュリエット・ルイスの唇がたまらんッ!あの瞳で上目遣いに見つめられたらたまらんッ!おこづかいでもなんでもあげちゃうぞ!どこのエロおやじだ。ま、エロおやじはおいといて。

ジュリエット・ルイスを拝むために観たとはいえ、鑑賞後はけっこう考えさせられた。ゲイブとジュディは表面上はとてもうまくいっているんだけど、実際はゲイブは大学の教え子に興味以上の感情を抱いている。ジュディはジュディで夫への不満を内に秘めている。しかもサリーに同僚を紹介したのはいいが、その同僚とサリーがいい仲になったら、なったで複雑。サリーとジャック夫婦もあっさり別れるのかと思ったら…。ミーがこの作品を観た時はまだまだお年頃ちゃん真っ盛り(ホントよ!)だったのでなんか大人って色々と面倒だわ〜と思いマシタ。なんで素直になれないのかね。

あ、そういえばジュディの同僚でサリーといい仲になっちゃうマイケルってリーアム・ニーソンだったなぁ。うわ、あんまり印象にない。意外と重要な役どころだったんだけどなぁ。ジュリエット・ルイスがメインですから!←威張ってどうする。

淡々と、しかし丁寧にそれぞれの夫婦の日常と葛藤を描くさまはウディ・アレンならではってコトかしら?とにかくコミカルでいて、かなり強烈な台詞はどれを取ってもすごくリアル。特にジュディの毒舌ぶりが圧巻。彼女のたとえ話がやたらと毒を含んでる上にオモロイ。ミーがアメリカ男だったら、あんなおばちゃんのお相手は遠慮したいが。エリートだろうが周囲からみれば上手くいっているように見える夫婦だろうが、大なり小なり心の中にはドロドロしたもんが渦巻いているんだと思ったり。隣の芝生ほど青く見えるってことか?

作品の公開直後に破局したウディ・アレンとミア・ファローが演じる夫婦は2人の私生活が反映されていると言われたこともあって、この作品は現実と虚構が入り混じったかのような刺激的ではあるが喉越しの悪い仕上がりとなっておりマス。胃もたれ必至。2組の夫婦の崩壊と再生を描いたこの作品、酸いも甘いも噛み分けた夫婦であれば笑って観られるのかな。未婚の方も後学のために観とくといいかも。ちょっと刺激臭が強いけど。
1992年/アメリカ/108分/監督:ウディ・アレン
HUSBANDS AND WIVES

「養女に手を出して裁判沙汰」
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