バットマン ビギンズ

主演・クリスチャン・ベイル、監督・クリストファー・ノーランを起用し、バットマン誕生までの姿を描いたバットマンシリーズ、8年ぶりの新作。

幼い頃に目の前で両親を射殺されたブルース・ウェイン(クリスチャン・ベイル)は苦しんでいた。生まれ育ち、そして愛する両親が死んだ街、ゴッサム・シティを自分ひとりの力で変えることは出来ないのかと。自分のわがままのせいで両親を殺してしまったのではないかという罪悪感、犯人に対して日増しに膨れ上がる復讐心。そして両親が教えてくれた博愛の精神を受け継がなくてはならないという使命感に苛まれ、失意の日々を送るブルース。大富豪の御曹司でありながら、世界中を放浪するあてのない旅に出るブルース。やがて犯罪者の心理を知るために自ら犯罪者となり牢獄へとつながれたブルースの前に謎の男デュカード(リーアム・ニーソン)が現れる。彼に師事し、心身を鍛えるブルース。だが、その修行はつらく厳しいものだった。自分自身の心と闘う日々。

やがてゴッサム・シティに戻った彼は犯罪と不正がまかり通るゴッサムの現状を目の当たりにする。ウェイン家が慈善事業の拠点としていたウェイン産業も今はCEOのリチャード・アール(ルトガー・ハウアー)が牛耳り、我が物としていた。自らの使命に確信を持ったブルースはウェイン家の執事を長年務めるアルフレッド(マイケル・ケイン)やウェイン産業の応用科学部に所属するフォックス(モーガン・フリーマン)の協力を得て、黒いコスチュームを纏った“バットマン”となり、悪と立ち向かう決意をする…


相変わらず旬とか最新とか無視して、今さらながら「バットマン ビギンズ」の感想を書いてみる。しかし。なんか粗筋だけでストーリー全部を語ってるような。あ、ケイティ・ホームズのこと触れてないから、そうでもないのか?ケイティのことなんてどうでもいいのよ!タレ目で下膨れで垢抜けない女子にはこれっぽっちも興味はないのよ!もっとセクシーなお姉ちゃんをキャスティングしろ!バットマンのヒロインはもっとビューティ度合いが高くなくちゃイカンのだよッ!なのでケイティ扮するレイチェルの登場シーンなんて脳内から削除されてるから、ちっともさっぱり覚えてないわよ!ふんッ!

あ、興奮した。え〜と。クリスチャン・ベイルが正義の蝙蝠男というのに違和感満載。彼には名刺自慢で一喜一憂するヤンエグ(死語)とかセコいドラ息子のイメージしかありませんから。デモ、精悍な身体つきには惚れたかも。なんのかんのいっても演技派だから、ちゃんとダークヒーローを演じてたし。観る前は激しく抵抗感があったが、ストーリーが進むうちに「意外とクリスチャン・ベイルのバットマンもアリかも」と思ったり。そしてシューマカー版のようなおちゃらけムードが皆無な点も可。リーアム様が出てるのも良。ケン・ワタナベはチョイ役じゃないかよ!疑惑発生でやや不可。バットモービルがあんまり活躍しないのもKORO的には不可。ヒロインがセクシーダイナマイッぢゃないのは大いに不可ッ!誰がなんといってもトムちんに呪われても断然、不可ったら不可ッ!

あらまた興奮した。とにかく。新生バットマンシリーズの当作品はアクション作品の枠を超え、一人のダークヒーローの苦悩をこれでもかッと描いた作品でありました。そういった意味ではやはりクリスチャン・ベイルは適役だといえるのかも。脇を固める役者も渋くてヨロシイ。執事のアルフレッドを往年の色男が演じてるのに時の流れを感じはしたが、まだまだ色香の漂う視線は充分に魅力的。セクシー爺好きに拍車がかかりマスよ。

ティム・バートン版の「バットマン」が大好きなミーですがノーラン版のこの作品もなんだかんだと文句はつけてるが実は意外と楽しめた(ヒロイン除く)。どちらのバットマンも悪を憎んではいるが、バートン版のバットマンは悪を憎む心をモチベーションにして戦っている。けれど、こちらのバットマンは悪を憎む心をトラウマとして抱えてたり。だから常に悩んでいる。苦しんでいる。同じ闇に包まれた作品なのにバートン版はゴッサム・シティを包む闇。ノーラン版は心の中に広がる闇を描いてる。うん、さすがノーラン監督。心理的闇を描くのは上手いね。デモ、アクションシーンはいまいち心躍らんかも。バットモービルもとりあえず出てきましたってカンジだったし。

悪役どころか当のバットマンさえ、どこか妙チクリンなバートン版に比べ悪役もバットマン本人もゴッサム・シティの街並みさえ至極真っ当なカンジに仕上がってるのは、仕方ないのかも。だってバートン自体が変な人ですからね。まぁ次作の「ダークイト」は心理描写だけでなくアクションも緻密な構成でお願いしたい。

というかジョエル・シューマカー版の「バットマン」について一言も言及してないな。言及するほどちゃんと観てマセンから。陽なイメージのバットマンなんてバットマンぢゃありマセンから。
2005年/アメリカ/140分/監督:クリストファー・ノーラン
BATMAN BEGINS
2008.06.05記

「G・オールドマンがイイ人を演じてるのに驚いた」
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