パーフェクト・ワールド

1963年のテキサスを舞台に、犯罪者と少年の心の絆を描いたヒューマン・ドラマ。

刑務所を脱走したブッチ(ケヴィン・コスナー)と相棒テリーは、フィリップ(T・J・ローサー)という8歳の少年を人質にとり逃避行を続ける。しかし少年に乱暴しようとしたテリーをブッチは射殺してしまう。2人はブッチの父親が昔送ってきた1通の絵葉書をたよりにアラスカへと向って逃亡を続ける。旅を続けるうちにやがて2人の間に友情のようなものが芽生えはじめ、フィリップはブッチに亡き父の姿を重ねて見るようになるが…


ちょっと、アナタ!ケヴィン・コスナーとクリント・イーストウッド共演だっていうから観に行ったのにほぼカラミなしじゃない!一応2人が対峙するシーンあったケド、どう観ても別撮りだし。イーストウッド自身が監督してるから、そんなに演技に力入れてられねぇんだよ!ってコト?別にコスナーと同じ画面に映るのイヤとかそんなんじゃないですよね?まぁそれはおいといて。

いやぁ〜この頃のケヴィン・コスナーはまだまだヨカッタですなぁ。毛もあるし。素直にカッコイイとか思っちゃったワ。あ、デモ、ミーはコスナーよりもイーストウッドの方が好きです。役者としてもだけど監督作品も好き。なんだか不器用だけど、優しい男のお話しが多いから。この作品もお互いに孤独な生い立ちの犯罪者と人質となった少年の心が通い合う様をクリント・イーストウッドらしく無骨ながらもうまく表現していたと思います。

ブッチを追う警察署長ガーネット役も兼ねてるイーストウッドですが、役者としての出番は少なめ。なんだかお笑い部門担当気味だけど、観ていてこっぱずかしくなりマシタ。それと役名のレッド・ガーネットってどうよ?もうひとつどうにも気になるのが「シークレット・サービス」でもそうだったけど、いい年して女性に妙にモテる役はやめてクレ。いや、爺にしてはセクシーだと思うよ。ミーはセクシー爺が大好物だけど、フツーの感覚だとイーストウッド爺にコロッと惚れる女性に「おいおい、アンタはじじいフェチかぁ?」とツッコミたくなると思われる。まぁミーがイーストウッド爺だったらローラ・ダーンに惚れられてもこれっぽちも嬉しくはないですが。タレ目なお姉ちゃんは好みぢゃないの。第一、この作品に女はいらん。ある意味「ボディガード」に次ぐ「俺ってカッコイイだろ?俺って孤高な男を演じさせたら右に出るものナシってカンジだろ?」とコスナーが思ってるとしか考えられないコスナーのプロモ的作品のような気がしなくもない。まぁ、あちらよりは断然こちらの方が作品的にも楽しめますが。

しかし。この作品の内容がどうのというよりもこの映画を観終わった時に前の席に座ってたカップルの女性の方が「すっごい難しい映画だった〜。全然ワケわからん。こういうのは哲学的?とかいうヤツ?」と彼氏に言っていたのが何年も経った今でも忘れられないワ。ムズカシイか?哲学的か?

地味ですが、決して難解ではありません。そして哲学的とも違うと思う。素直に泣ける作品ですので今日はなんだか感動の涙を流したい気分よ!という時にどうぞ。
1993年/アメリカ/138分/監督:クリント・イーストウッド
A PERFECT WORLD

「盗みは悪いことだ。でも、どうしても必要なら借りるってことにしよう。変則ルールってヤツさ」
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