プラダを着た悪魔

こんな最高の職場なら、死んでもいい!こんな最悪の上司の下で、死にたくない!恋に仕事にがんばるあなたの物語。

ノースウェスタン大学を卒業し、ジャーナリストを目指してニューヨークへとやってきたアンディ(アン・ハサウェイ)は、世界の女性が憧れる一流ファッション誌“ランウェイ”の面接を受ける。ファッションに全く興味のない彼女だったが、意外性を買われてカリスマ編集長のミランダ(メリル・ストリープ)の第二アシスタントとして採用される。

だが、それはアンディにとって地獄の始まりだった。第一アシスタントのエミリー(エミリー・ブラント)に早朝から叩き起こされ、ミランダからは理不尽で高度な要求を次々と命令される。ファッション業界で絶大な影響力を誇る人物であるミランダに振り回され、いつしかアンディの私生活はめちゃくちゃになっていくのだが…。


勝手に「ワーキング・ガール」のような女の子ちゃんのサクセス・ストーリーと思っておったワケですが。なんかちょっと違った。単に上司の理不尽な要求に耐えているだけの女の子ちゃんの話だった気がする。テンポがいいし、主人公がどんどんおしゃれになっていく様子の演出はうまいが、アンディ役のアン・ハサウェイがダサダサファッションの時も充分にカワイイので、オサレファッションに身を包むようになっても、スゲェ変身したなぁ!という驚きはナイ。

それとミランダ役はもう少し若かった方がいいかも。ついでにすこし細身な方が。メリル・ストリープは貫禄の演技っぷりだけど、アン・ハサウェイに太めといえるのかと。アンディがサイズ6ならミランダはサイズ10くらいなのではないかと。演技自体は相変わらず巧い。存在感が際立っておりマシタ。あんなに小声で人を萎縮させるコトが出来るミランダに敬服ですわ。

ミーはアン・ハサウェイのデフォルメされすぎたお人形のような顔があんまりお好みでないので、彼女の出演作品って食指が動かないんですが、この作品は脇役にけっこう味のある役者を揃えてるので最後まで観れた。第一アシスタントのエミリーの嫌味がすごく巧くて笑えたし、ナイジェル役のスタンリー・トゥッチのゲイっぷりもヨイ。ナイジェルがミランダの理不尽な要求に疲れ果てて愚痴を言うアンディに掛ける言葉がいいね。

アンディの恋人ネイトを演じているのはエイドリアン・グレニアー。TVシリーズの「アントラージュ★オレたちのハリウッド」の主役を演じてるお兄ちゃん。このお兄ちゃんがアン・ハサウェイに勝るとも劣らないじっくりコトコト煮込んだ濃厚コーンポタージュ顔。濃すぎるカップルにKOROちゃん胸焼けしそうでしたわ。ジャーナリストのクリスチャンがただの軽いおっさんにしか見えないのは残念。もっと渋いおっさんにしてクレ。思わずアンディがよろめいちゃうような美中年じゃないと話に説得力がナイ。…よろめくって。いつの時代だよ。昭和の香りプンプンの死語はおいといて。

クリスチャンはいい年こいてナルシスト気質全開のおっさんじゃなくて「ワーキング・ガール」のハリソン・フォードみたいな人物設定の方がヨカッタ気がする。結局は元○○に収まるんで、クリスチャンはきっと、どうでもいい存在なんだろう。

次々と登場するファッションがハイソ過ぎて憧れはするが、手に届かないモノばかりなので参考になりマセン。えぇ、生涯一貧民のKOROですから。アンディのオサレぶりに卑屈になっちまうわ。ま、夢心地気分には浸れるんじゃないかなぁ?←投げやり

難しいコトは考えずにカワイイ女の子ちゃんの成長物語として、まったり観るにはヨロシイのではないかと。
2006年/アメリカ/110分/監督:デヴィッド・フランケル
THE DEVIL WEARS PRADA
2010.03.06記

「セルリアとターコイズ」
アイ★ラブシネマTOPに戻る