プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂

砂よ──時間を巻き戻せ!

古代ペルシャ。史上空前の栄華を極めた帝国の下町で暮らす孤児のダスタンはある日、友人を救うために大勢の兵士に立ち向かう。ダスタンの勇気に溢れた大胆な行動を見初めたペルシャ王(ロナルド・ピックアップ)は彼を王宮に連れ帰り、養子として迎える。

それから15年後。“ペルシャのライオン”と呼ばれるほどに成長した第三王子のダスタン(ジェイク・ギレンホール)は兄タス(リチャード・コイル)、叔父ニザム(ベン・キングズレー)と共に聖都アラムートを征服する。ダスタンは戦利品として一振りの短剣を手に入れる。アラムート城内で祝宴をあげ、勝利に酔いしれるペルシャ軍。宴の中、ダスタンが戦利品として父王にアラムートの法衣を贈るが、法衣に仕込まれた毒が元で王は絶命してしまう。一転、英雄から反逆者となってしまうダスタン。彼は捕虜して捕らえられていたアラムートの王女タミーナ(ジェマ・アータートン)の手引きで城から抜け出すが、彼女には別の狙いがあった─


5月に観たんだよなぁ。デモ、もうほぼ忘却。ミーの記憶力が衰えているせいではなく、きっとブラッカイマークオリティ故だと思うに一票。アクションはパルクールてんこ盛りだったなぁくらいしか思い出せん。主役がジェイク・ギレンホールというのに一抹の不安があったが、頑張ってたと思う。ミー的には「デイ・アフター・トゥモロー」の学力コンテストに出場するちょっと頼りない高校生つ〜イメージしかなかったもんで。勇ましいとか凛々しいとかアクション過多とかそんなイメージが一切なかったから、正直彼が主役と聞いた時にはナニかの冗談かと思ったわ。あの姉とそっくりな垂れ目度合いが頼りなくて人の良さだけが取り柄みたいなイメージを持ってしまうのか。あ、髪型もちょっと似合ってなかったかも。KORO的にはコリン・ファレルの方がダスタンのイメージかなぁ。デモ、コリン・ファレルにパルクールはムリそうな気がする。

色々と不安要素はありましたが、意外とイケた。ジェイク・ギレンホールがダスタン役というのもストーリーが進むにつれ納得のキャスティング。クールに徹しきれない気のいい青年なのね、ダスタンって。ま、ミーはベン・キングズレーが拝めれば無問題なんで主役がジェイク・ギレンホールだろうがコリン・ファレルだろうが、イライジャ・ウッドだろうが構わない←さすがにイライジャはないだろ。もうね、ベン・キングズレーが出た瞬間から“ぽっぽ〜ッ”ですよ。どんだけ隈取りメイクが似合ってんだよ!真剣に古代ペルシャ人かとオモタわ。ついでに絶対、悪人面にしか見えないのに、ナニいい叔父さんぶってんだよ!と激しくツッコんでみたり。あと関係ないですが、ダスタンの兄のタス役をエンド・ロールまでカール・アーバンだと思い込んでおり、つくづく長髪髭面の王子役が似合う役者だなぁなどと感心しておったり。リチャード・コイルだったのか。ま、年も同じだし割りと相似形な気がする。多分。

定番で話が逸れてきた。ストーリーに関してはダメだ、こりゃ。まず会話の口調がまるっきり古代ペルシャじゃありませんから。英語なんてところどころしか聞き取れないし、字幕のせいかもしれないケド、それにしたって「ウープス」はねぇだろ、ウープスは。舞台は現代のアメリカなのかよ。ダスタンとタミーナの関係も観てるこっちが恥ずかしくなるような展開で、途中で何度もイラついた。ミーの目にはどうしてもタミーナが絶世の美女に見えなかったのも難点。欧米基準と日本基準の差でしょうか。それを差し引いてもジェマ・アータートンには王女らしい気品が感じられマセン。ミーははじめ彼女はてっきり巫女さんだと思ってマシタよ。まさか王女だとは。

パルクールでのアクションやギロチンなどの罠は元ネタであるゲームのアクションの特徴を生かしていたと思うが、単にアクション部分からヒントを得ただけのようでストーリーは別物。実写版である当作品のストーリーははっきり言ってクソ。オブラートに包んだ言い方をすればありきたり←全然包んでない。

全編に娯楽作品の雰囲気が漂っているのに、アラムートに攻め入る動機だけが妙に生臭いのはどうしたものか。イ○ク侵攻ですか。お気楽ファンタジーにムリヤリ生臭さを詰め込んでしまうトコロにハリウッドの商魂をみた。若しくは何も考えてないのか。

クライマックス部分はありとあらゆるアクションアドベンチャーの寄せ集め的なシーンの連続で既視感満載。ブラッカイマー印の基本といえばそれまでだが、ド派手だがあとには何にも残らない。唯一、タスとダスタンのお互いを信頼しあってるシーンはヨカッタかも。心の中では「ああ〜ん、カール・アーバンって悲しい運命を背負った王子役が似合うわぁ〜」とか思ってマシタが。

時代考証なんてテキトーでいい、あとに何にも残らなくてもいい、アクションがド派手だったらヨシであれば充分楽しめる作品かと。
2010年/アメリカ/117分/監督:マイク・ニューウェル
PRINCE OF PERSIA: THE SANDS OF TIME
2010.09.19記

「ダスタンの髪型がアメリカの“映画史に残る変な髪型22人”に選ばれる」
アイ★ラブシネマTOPに戻る