華麗なる相続人

シドニー・シェルダンのベストセラー、「血族」をオードリー・ヘプバーン主演で映画化。

大手製薬会社であるスイスのロフ製薬の社長・サム・ロフが登山中の事故により死亡。一人娘のエリザベス(オードリー・ヘプバーン)が跡を継ぎ、社長の座につく。ロフ製薬はサム一代で築き上げた大企業だったが彼の頑なな意志のもと、経営陣は数少ないロフ一族の血縁者で保たれてきた。亡き父のいいつけを守り、株の公開を頑なに禁止するエリザベスだったが、それぞれのトラブルから金が必要な親族達はそんな彼女に反感を抱く。やがて父の死が殺人だったことが判り、エリザベス自身も命を狙われることになる・・・


なんつ〜かなぁ。まずタイトルがダメだなよなぁ。スゲェ安っぽい2時間ドラマみたいじゃないですか。サスペンス映画の傑作、「暗くなるまで待って」のテレンス・ヤングとオードリーが12年ぶりに再びタッグを組んだワケですが、うんダメだこりゃ。まず主演がミスキャスト。亡くなったサム・ロフはたしか60代半ばという設定だったと思うんだが、その一人娘のエリザベスは一体いくつなんだよと真剣に問いたい。ロフが早婚だったとしてもせいぜい40代そこそこだと思うぞ。デモ当時のオードリーは50歳。かつての永遠の妖精も寄る年波には勝てなかった模様でしっかり実年齢にしか見えない。痩せ過ぎてるのも原因かも知れんけど。50歳のおばちゃんがヒロインですよ?それはいくらなんでもムチャが過ぎませんか?原作では若くて美しいお嬢さんでしたよ。ピチピチのお嬢さんに危機が迫るからこそ興奮出来るんじゃありませんか。オードリーだってその年齢にしちゃキレイだが、やっぱり説得力がないんだよ。彼女に言い寄る男がいても金目当てにしか思えないのが辛い。

単に原作をなぞっただけの展開もいただけない。大して多くない親族なのにどの登場人物も明確に描かれてないので原作を未読の人は関係がさっぱりだったと思う。ストーリーに絡める必然性を全く感じられない中途半端な出来のポルノビデオが出てきたり、有り得ない状況で殺人を犯そうとするアンポンタンが現れたり、怪しい人物がそのまんま怪しい人だったりと、褒めるトコが一切浮かんできませんわ。。ベン・ギャザラやゲルト・フレーベ、オマー・シャリフといった一癖も二癖もある役者で脇を固めても肝心のストーリーがなってないので意味がない。

原作をバカ正直になんの工夫もなく再現してるので原作を読んで面白かったと思った方は観ると失望必至。テレンス・ヤングとオードリーが久しぶりにタッグを組んだ作品だし、原作もけっこう好きだったのでそこはかとなく期待して観たがキッチリ裏切られたというのが正直なトコロ。
1979年/アメリカ/117分/監督:テレンス・ヤング
BLOODLINE

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