月世界探険

1964年、国連の宇宙船がついに月に到達。しかし調査隊が月面で発見したのは、「1899年月面着陸宣言」と書かれた土地権利書とユニオンジャック。権利書の署名を手がかりにアーノルド(エドワード・ジャッド)という老人に面会した国連の調査団は、彼から衝撃の事実を聞かされる。彼は発明家のカボール(ライオネル・ジェフリーズ)が産み出したカボライトという重力遮断剤を利用して1899年に既に月に到達したのだという。そして月世界で彼が見たものとは…


ギブス!ギブス!カボールは絶対「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のドクのモデルだ!かもね、かもね、そうかもね!100%そうかもね!

いきなりなんなんですか、アナタは。この作品を観てない人にいかに面白い作品であるかをご説明さしあげて、いやぁ映画ってホントに素晴らしいですねぇと思えるひと時を過ごしていただければということで、このコーナーはあるのではないんですか?それをアナタ。いきなり、「ギブス!ギブス!」って。ワケ判らんわ。

この作品は劇場未公開です。そして1964年作品。DVD発売時のタイトルは「H.G.ウェルズのS.F.月世界探険」。KORO的には「レイ・ハリーハウゼンのS.F.月世界探険」が正しいかと思われマス。H.G.ウェルズの名前を冠して、少しでも傑作を装おうという魂胆が見え隠れするタイトルです。傑作ではありません。B級です。デモ愛しさ満点のB級です。なんたって特撮がレイ・ハリーハウゼンだもん♪

愛しさ満点のB級って意味判らんわ。つまりはミーのへっぽこ魂を激しくノック!ノック!なのですよ。カラーでハリーハウゼンの特撮が観れちゃうんですよ!素晴らしいじゃありませんか!まぁストーリーはかなりの部分がハジケ過ぎて、置いてけぼり状態ですけどね。それもこれもドクのモデルとしか思えないカボールのおかげです。ミーはてっきりうっかりシリアスなSFモノと思ってたのですよ。だって「H.G.ウェルズの〜」とかタイトルについてるじゃありませんか。「タイムマシン」ちっくな内容かと思ってたんですよ。あ、猿顔ガイ・ピアース主演の方じゃないですよ?1960年作のオリジナルの方です。ま、猿顔とかモーロックとかはおいといて。

ついに人類が月に到達した!という冒頭から大いにツッコめます。全然無重力じゃないし。まぁこの作品はそんな科学的考証とかを論じても意味がありません。だってアーノルド達が1899年に月に行った時は宇宙服ならぬ普通服での宇宙旅行でしたから。宇宙ロケット内の座席はハンモック仕様ですから。軌道計算とか絶対にしてなさそうでしたから。宇宙に飛び出せば辿り着くのは必ず月!みたいな。そして月世界で彼らが見たものは!

う〜む、ハリーハウゼンの特撮を激しく期待したのに意外と少なかったのは残念無念。デモ、カボールが有り得ないくらいにハイテンションだったので可。やっぱり絶対ドクのモデルだな。前半はカボールとアーノルドに加えてアーノルドの恋人ケイトが繰り広げる底抜け3人組のドタバタコメディなのに、ストーリー後半はいきなりシリアスになるとこがまたなんともいえません。オチは「○○戦争か?」と思った。テキトーだなぁ。いや、シュールなのか?全体に漂うアバウトさが、何ともほのぼのとしていてヨロシイ。

まだ人類が月に到達していない時代に製作された故かイマジネーションの趣くままに描かれた、やりたい放題の月世界描写をお楽しみクダサイ。
1964年/イギリス/103分/監督:ネイザン・ジュラン
FIRST MEN IN THE MOON
2008.02.15記

「骨格のある芋虫登場」
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