ゲッタウェイ

マックイーン+ペキンパー─この映画界最大の2人が全世界に叩きつける血のバイオレンス・アクション!

強盗の罪で服役しているドク・マッコイ(スティーヴ・マックィーン)は4年もの間、模範囚として過ごしてきたが仮釈放が認められず、面会に来た妻キャロル(アリ・マッグロー)に町の実力者ベニヨン(ベン・ジョンソン)へ取引を持ちかけろと促す。ベニヨンの裏取引で出所したドクだったが引換えにベニヨンの依頼でキャロルと共に銀行強盗をすることになる。用心深いベニヨンはルディ(アル・レッティエリ)とジャクソン(ボー・ホプキンズ)の2人を仲間に加えることを要求。ドクをリーダーにして綿密に立てられる銀行強盗の計画。だが銀行襲撃が成功したかのように思えた時、思わぬアクシデントが起こる。ジャクソンが守衛を射殺してしまったのだ。死人は出さないつもりだったのに。綻び出す計画。ドクの仕掛けた時限爆弾の爆発の混乱の中、逃走するドクとキャロル、そしてルディとジャクソン。しかし待ち合わせ場所に現われたルディが金を独り占めしようとしていることに気づいたドクは、ルディを撃ち逃走。

ドクとキャロルは警察、ルディ、ベニヨンの弟の三者からの逃避行を続けるが─


サム・ペキンパーの過剰なバイオレンスに抵抗感のないブラッディKOROです、こんばんは。どちらかというとウエルカムです、わんばんこ。いやぁ久しぶりに「ゲッタウェイ」観たなぁ。何度か観てるはずなのに全然憶えてなかったよ。激しく「ブリット」と記憶が混同してたよ。サンフランシスコの坂のシーンは?とか思ったりしたよ。寄る年波のせいですかねぇ。年は取りたくないもんだ。それじゃそういうことで〜。

と、定番のように短小感想で終わらせようとしてみる。なんつ〜か久しぶりに観て改めて思ったんだが。長ぇよ。123分は長いよ。妙に冗長なシーンがあるよ。特に序盤。ドクの妄想シーンなんかスッパリ削っていいんじゃないのか?久しぶりの娑婆の気分を満喫したいのは判るが、正直長すぎるぞ。川に飛び込むのを妄想する辺りのクドいこと。しかも自宅に戻ってきたドクとキャロルはしっかりずぶ濡れ。ホントに飛び込んだのかよッ。

ま、序盤は正直ダレますが、銀行強盗を企てる辺りからはさすがに緊迫感ばっちり。そしてルディ演じるアル・レッティエリの粘っこい色気がたまりマセンッ。ドクを追跡するために獣医夫婦を人質に取るトコは謎だけど。そして獣医の妻があまりにアンポンタンでムカつく。猫の名前は?と尋ねられた時に能天気に「○○○○よ」と答えるシーンには真剣に「このクサレ女がッ」と悪態を吐いてみました。あらヤダKOROちゃん、お下品ね。ま、サム・ペキンパー作品を鑑賞してる時点でお上品とは言いがたいとは思うが。

ペキンパーが「これは俺の作品じゃないッ」と叫んだこともあるらしい当作品。たしかに「ワイルドバンチ」や「わらの犬」と比べるとバイオレンス色は若干抑え目でどちらかというと娯楽色の強い作品であります。ペキンパー自身は気に入らなかったかもしれないが彼の作品の中で最大のヒット作だったりする。ミー的にもこの作品はバイオレンス映画というよりは夫婦再生のロードムービーってカンジが強い。

出所するためにベニヨンとの取引を選んだドク。けれどベニヨンが取引に応じたのは○が○○的だったから。暗に○との○○を仄めかされ逆上するドク。それまでのクールな姿はどこへやら。妻の○○りを知ってしまってからのドクは嫉妬に苛まれてなんとも情けない表情をするんだけど、これがまたいいんだわ。怒りに任せて女に手を挙げるとこなんて格好悪いけど、マックィーンがやるとかっこいいんだわ。

逃避行の途中でのバッグ紛失騒ぎのシーンも少々クドくてダレたが、無事取り戻した時の2人の何気ない表情がいいのよね。ゴミの山に埋もれた2人が交わす短い会話のシーンがまたいい。ゴミだらけで汚いのに妙に美しい。クライマックスは確かにバイオレンス度が高いが、こういったシーンを観てるとぎくしゃくした夫婦の再生の物語って気がするんだなぁ。

ルディに振り回される夫婦(というか旦那の方)の描き方が悲惨だったり、激しい銃撃戦も痛快というよりは生々しさが際立ってるので誰にでもオススメ出来る作品ではないですが、マックィーンがとにかくカッコイイ。そして昔観た時はちっとも魅力的に見えなかったアリ・マッグローに妙に可愛らしさと色気を感じて驚いた。ミーもアメリカ的嗜好になったのか。

スペイン版やアメリカ版では若干エンディングが異なるそうですが乾いた土地を走る一本道のラストシーンがなんとも印象的。
1972年/アメリカ/123分/監督:サム・ペキンパー
THE GETAWAY
2009.04.26記

「3万でどう?」
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