ナイトメアー・ビフォア・クリスマス

ハロウィン・タウンの王、ジャック・スケリントンは来る日も来る日もハロウィンの準備をしている生活にいいようのない疲れを感じていた。そんな彼がある日偶然迷い込んだ別の町。そこは毎日が喜びと楽しさに満ちたクリスマス・タウンだった。クリスマスに魅せられたジャックは早速ハロウィン・タウンでもクリスマスを再現しようとするのだが…

「シザーハンズ」のティム・バートン製作・原案・キャラクター設定による異形のミュージカル・ファンタジー。


ガイコツ頭のジャックを筆頭に、ペットの幽霊犬ゼロやツギハギ人形のサリーなど、魅力的かつそこはかとなくグロいキャラクターにフォーリン・ラヴでございます。まぁかなり好き嫌いが分かれそうだけど。ハマる人は完璧に虜になりますな。監督はティム・バートンじゃないんですけど、ある意味一番彼らしい作品だなと思いました。

なんといってもクリスマスに憧れるハロウィン・タウンの王ですよ!キミ、それはムリやろ。カボチャ王がトナカイ乗ってどうする!デモ、なりたいものはなりたいのだ!サンタさんを拉致ってでも、クリスマスには自分がおこちゃまにプレゼントを配るのだ!そんなジャックをひっそりと見守るサリー。彼女はツギハギだらけの人形で見た目は口裂け女一歩手前ですがストーリーが進むにつれ、なんとも可愛く見えてくるのですよ。あぁ、この作品はマペット・エフェクトっていうんですか?ストップモーションアニメか?まぁヨイ。とにかくお人形がいかにも生きてるかのようにイキイキと動いてます。日本の文楽人形みたいな手、首、身体の美しい動き。静と動、グロな美しさ。キャラクター達の表情の細やかさったら、そこらの大根役者なんて足元にも及びませんわ。リップ・シンクロで歌まで歌っちゃうし。

ティム・バートンとサム・ライミ(なんという組み合わせ)お気に入りの作曲家であるダニー・エルフマンの音楽も素晴らしくイイ。彼自身、ジャックの歌うシーンでそのダークで不気味な歌声を披露しております。

願えば夢は叶うというアメリカ的なエンディングではなく、叶わぬ夢もあるというラストもいいですなぁ。絶望の中に一片の希望があるから。ミュージカルだし、コメディだし、ラヴストーリーだし、ティム・バートンだしとかなり濃厚なお味の作品ですが、かなりオススメ。
1993年/アメリカ/76分/監督:ヘンリー・セリック
THE NIGHTMARE BEFORE CHRISTMAS

「ジャックのクリスマス・プレゼントのセンスがイカス」
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