ランブルフィッシュ

地獄の黙示録青春編

アメリカの地方都市。地元のギャングのボスとして皆の尊敬を集める兄のモーターサイクルボーイ(ミッキー・ローク)に憧れ、ギャング団の復活を夢見てケンカに明け暮れる毎日を送るラスティ・ジェームズ(マット・ディロン)。恋人のパティ(ダイアン・レイン)が止めるのも聞かず、いつものように仲間のスモーキー(ニコラス・ケイジ)らを従え、ケンカをしていたラスティの前に二ヶ月前から姿を消していた兄が戻ってきた。しかし久々に会った兄は以前とは別人になっていた…


1984年作品。公開当時に劇場で観た。従姉にムリヤリ連れて行かれたように思う。色男ミッキー・ロークがブレイクする前に出演した作品なので彼が目当てで観に行ったワケではないが、寡黙で謎めいた兄貴ぶりに惚れた。当時はまだまだ精神的にかなりおこちゃまで「モーターサイクルボーイがカッコイイ映画」という認識しかなかった。単純にミッキー・ロークがカッコイイという理由でその後、何度か鑑賞した。年を重ねていく毎に泣けてきた。忘れがたい作品になっていった。

色覚障害の兄の目線で捉えられたモノクロームの映像。絶え間ない街の喧噪、鳴り響く音楽。騒がしいこの街の雰囲気が好きだとはしゃぐ弟と静かに街を彷徨う兄。6歳で子供でいるのをやめたという兄。カリフォルニアで死んだと思っていたと母に会ってきたという兄。以前とはどこか違う兄に次第に不安を募らせていく弟。

物語の終盤、モーターサイクルボーイとラスティ・ジェームズがバイクに乗ってるシーン。ここが無性に泣けてくる。なんにでもなれるのになりたいものが見つからない兄と、たえず仲間に「いつか俺も兄貴みたいになると思うんだ」と聞き、皆に「なれない」と言われる弟。同じバイクに跨りながら、2人の見ているものは全く違う。目指すものが見つからない兄と目指すものがあるのに意味がないと言われる弟。ダメだ、いつものおちゃらけ文章がこれっぽっちも浮かびマセンよ。

いかん、いかん。ミッキー・ロークがその後のとんでも方向を予想出来ない程のステキ兄貴ぶりですが唯一、チンピラをボコるシーンでは後年のネコパンチを彷彿とさせるへっぽこぶり。あのシーンだけは急に現実に戻っちゃったよ。それと現在の増毛必須な頭髪事情を予測不可能なニコラス・ケイジの豊か過ぎる髪の毛も笑えた。こんな時代もあったのね。しかし、父がデニス・ホッパーで兄がミッキー・ローク、弟がマット・ディロン。どんだけ濃い親子なんだ。じゃ、母親はジーナ・ローランズあたりか?コワ。

「地獄の黙示録」や「ゴッドファーザー」と比べると地味で小粒な作品ですが、コッポラ監督作品の隠れた名作だと思います。
1983年/アメリカ/96分/監督:フランシス・フォード・コッポラ
RUMBLE FISH
2008.01.18記

「ならないように祈れ」
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