ショーシャンクの空に

妻とその愛人を殺害した容疑をかけられる銀行員アンディ(ティム・ロビンス)。無実を訴えるが有罪となり、ショーシャンク刑務所へと送られる。刑務所での生活に初めはとまどいつつも、いつしか刑務所暮らしに順応し、静かな日々を送る。そして20年後…


一体何作映画化されたか判らないスティーヴン・キング原作の映画化です。「グリーンマイル」や「スタンド・バイ・ミー」などの感動的な作品もあるキングですが、やっぱり彼はホラー小説のキングってカンジなので彼が原作で、監督が「エルム街の悪夢3」や「ブロブ」、「ザ・フライ2」などの脚本を手がけたフランク・ダラボンですから(後年プライベート・ライアンやグリーンマイルを撮りますが)、ホラー物?と勘違いしたりとか。いえいえ、感動的なドラマでございました。というか実際、キングの作品は非ホラー作品の方が映画化には向いてるよなぁ。

全編アンディと同じ受刑者、レッド(モーガン・フリーマン)のモノローグで語られていきます。アンディを中心として刑務所内の出来事を淡々と。アンディが入所したての時の仕打ちは淡々とは言えませんが。しかし、アンディは自身の持つ不思議と人の心を癒す魅力によって徐々に囚人達の心を掴んでいきます。ティム・ロビンスがぼ〜としてるように見えて実は芯のしっかりしたアンディを見事に演じています。彼ってぼんやり君演じると上手いですね〜(誉めてマス)

モーガン・フリーマン、いい!ちょっとシニカルな性格の自分自身を「アイルランド系さ」っていう一言で表現するとこもステキ。納得!ってカンジです。脚本も手がけたというダラボン監督、これが長編映画デビュー作とは思えません。至る所に張られた伏線、刑務所内での淡々としながら引き込まれるエピソードの数々、キングの原作があるからこそとも言えるのでしょうが、ダラボン監督ってなんだか職人だなぁ。

とにかく好きなシーン、感動するシーンいっぱいの作品です。アンディがとぼけた顔で所長室でふんぞり返って椅子に座ってるとことか。刑務所内で静かに暮らすアンディがあるモノを見つけ、そして○○を計画し、見事に成功して感情を爆発させるシーンは震えました。もちろん、ラストの目の覚めるような“ブルー”も。

ストーリー的には文句なしに感動出来る逸品ですが、難を言うとすれば邦題かな?綺麗だし、感動モノっぽいタイトルでいいかと思うが、原作タイトルの方が伏線にもなってて「なるほど!」って思えそう。“Rita Hayworth&the Shawshank Redemption”じゃタイトル的に映えない気はするけど。

へこんだ時に観ると「頑張ろう!」と素直に思える作品。
1994年/アメリカ/143分/監督:フランク・ダラボン
THE SHAWSHANK REDEMPTION

「閉所恐怖症のミーは下水道を匍匐前進なんてムリ」
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