シャッターアイランド

全ての“謎”が解けるまでこの島を出る事はできない。

1954年のアメリカ。ボストンの沖合いに浮かぶシャッターアイランド。そこには精神を患った犯罪者を収容するアッシュクリフ病院があった。ここでレイチェル・ソランド(エミリー・モーティマー )という女性が謎めいたメッセージを残して姿を消す事件が起きる。連邦保安官のテディ・ダニエルズ(レオナルド・ディカプリオ)は事件の捜査のために新しい相棒チャック(マーク・ラファロ)と共に島にやってくるが、3人の我が子を溺死させた罪でこの島に送られてきたレイチェルは前夜、鍵のかかった部屋から跡形もなく消えてしまっていた。島の中にも彼女の姿はなく、島から脱出した形跡もなかった。彼女はどうやって、そして何故消えたのか。

院長であるコーリー(ベン・キングズレー)をはじめとした病院スタッフは捜査に決して協力的とはいえず、その上何かを隠しているようだった。そして、テディもまた捜査の他にある目的のためにこの島に来たのだった…


ディカプリオ主演映画を劇場で観る日が来ようとは。KOROちゃん、びっくりだね、驚きだね、おったまげだねぇ。決してキライな役者じゃないんだけど、どうも彼の出演作品ってことごとくミーの範囲外なのよ。ディカプリオが痛快おバカ映画に出てくれりゃ喜び勇んで映画館に馳せ参じるんだが、そんな日はきっと来ない。

デモ、当作品は予告に惹かれてしまい、怖がりのK元くんを口説き落として観に行ってみた。サスペンス好きですから。監督のマーティン・スコセッシはそれほど作品を観ているワケじゃないが、巨匠だからヘタなもんは撮らないはずッとテキトーな思い込みで鑑賞。しかし改めて考えてみる。スコセッシ作品ってナニ観てたんだっけ?…「タクシードライバー」だけとか?まさかッ。「ケープ・フィアー」と「カジノ」は観てるはずッ!近年の「ギャング・オブ・ニューヨーク」、「アビエイター」、「ディパーテッド」は観ておりマセン。ホントに映画好きなのかよ。

ミーの似非映画好きぶりはおいといて。ジャンルがサスペンスとなっておる当作品ですが。はっきりいってサスペンスじゃねぇよッ。スゲェ早い段階でオチが判るし、しかもそのオチに何の驚きもないですから。だからといってクソつまらんかったワケではないんですが。なんつ〜か、奥歯にモノが挟まったようなというか、スッキリしない作品ですわ。映像は非常に美しかったし、音楽の使い方もヨカッタんだけど展開が冗長で久しぶりに途中で時間を激しく確認したくなった作品。

サスペンス映画としてみると弱いけど、○○○○を抱えた○の話として観ればけっこう見応えはあるかと。「タクシードライバー」と通じるものがあるといってしまうと言い過ぎなのか。そういった観点から観るとタイトルも違う意味で頷ける。あぁ、そういう意味だったのねと。

スコセッシとディカプリオの4度目のタッグである当作品ですが、何度もタッグを組んでるからといってそれがいい方向に働いているのかは疑問。他の作品を観てないんで断言は出来ないケド、この作品のディカプリオがとことん不細工に映ってて、スコセッシはホントにディカプリオを気に入ってんのかと真剣に疑った。全然、主役張るだけのオーラがディカプリオから感じられなかった。ミーが爺好きのせいかもしれマセンが。主役のディカプリオは不細工だったが、脇のベン・キングズレーやマックス・フォン・シドーがセクシー爺デシタ。眼福。

見た目はいまいちだったが、ディカプリオの演技はなかなかイケた。ストーリー終盤の重要なシーンである湖畔でのシークエンスでは、やや弱い気がしたけどラストはヨカッタ。単にミーが深読みをしただけかもしれないが。

謎解きやどんでん返しを過度に期待すると肩透かしを食らう作品ですが○○に○○出来ない○の話として観れば、意外といける。人は記憶に蓋をする。思い出したくない出来事を都合のいいように上書きしてしまう。
2009年/アメリカ/138分/監督:マーティン・スコセッシ
SHUTTER ISLAND
2010.04.30記

「4の法則」
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