007/カジノ・ロワイヤル

豪華キャストに加え、監督は5人。限りなく豪華に、どこまでも馬鹿馬鹿しく…

今は引退してロンドン郊外の屋敷でひっそりと暮らす往年の名スパイ、ジェームズ・ボンド卿(デヴィッド・ニーヴン)のもとへイギリス秘密情報部のM(ジョン・ヒューストン)と、CIAのランサム(ウィリアム・ホールデン)、KGB、フランス情報部の各代表が訪ねて来た。世界各地で各国の情報部員が国際陰謀組織であるスメルシュによって次々と消され、かつて勇名を馳せたボンド卿の復帰を要請するためであった。しかしジェームズ卿はそれを固辞する。かつての恋人マタ・ハリの死を悼み、今もその悲しみが癒えない卿は容易に出馬要請を承諾しなかったが、屋敷が何者かの襲撃により破壊されてしまう。このままでは優雅で静かな余生は過ごせない。仕方なく要請を受け、ロンドンへと向かうボンド卿。道中、スメルシュの諜報員ミミ(デボラ・カー)の妨害作戦にあうが、数々の妨害をものともせずに撥ね退けるボンド卿にミミは惹かれ、僧院行きを決意。どうにかロンドンへと辿りついたボンド卿は007を何人も送り込み、本物が誰か判らないようにして敵に迫る作戦を打ち立てる。早速、007候補としてベスパー・リンド(ウルスラ・アンドレス)、クーパー(テレンス・クーパー)、マタ・ボンド(ジョアンナ・ペティット)、イブリン・トレンブル(ピーター・セラーズ)を雇い入れるボンド卿だったが…


いや〜、ステキに豪華でした。無敵におバカでした。もうしょっぱなからスラップスティックつ〜か。Mのヅラが吹っ飛ぶシーンはベタながらワラタ。夜中に一人でブッと吹き出した。ま、エエお年頃(自称)の女の子ちゃんが夜中に「007/カジノ・ロワイヤル」を鑑賞してケタケタ笑ってるのはどうよ?とは思ったが。いいじゃない!おバカ映画が好きなんだから!因みに正統007シリーズの21作目「カジノ・ロワイヤル」は未だに未見よ!なんつ〜かダニエル・クレイグの007がKORO的にはジャストフィットじゃないワケよ。荒唐無稽でド派手でバカバカしい007が好きなのよ。ま、シリアス路線も悪くはないんだけどね。「007/慰めの報酬」が公開される前にはDVD鑑賞しようかと思ふ。しかし。「慰めの報酬」って邦題が微妙だなぁ。なんかイヤらしい想像しちゃうのはミーだけか?

あ、お久しぶりの映画感想なのに定番のように話が逸れた。あんれまぁ。軌道修正。この作品はあくまでパロディ作品扱いで正式な007シリーズとは考えられていないワケですが。正統シリーズからは考えられないくらいにキャストが豪華デス。有り得ないくらいに豪華絢爛です。デヴィッド・ニーヴンでしょ、ピーター・セラーズでしょ、ウディ・アレンでしょ、オーソン・ウェルズも出てるし、ジョン・ヒューストンまで出ちゃってるし、ウィリアム・ホールデンにデボラ・カー、ウルスラ・アンドレスにジャクリーン・ビセット、ジャン=ポール・ベルモンド、ノンクレジットだがピーター・オトゥールやキャロライン・マンローまで出演しちゃってるというムダな豪華ぶり。どんだけ金遣ったんだ。そんな豪華キャストが繰り広げるパロディ。泥臭いの一言に尽きるお笑いシーンは正直、笑えない。しかしオモロイ。このムダな豪華さぶりがいいんですよ!序盤のデボラ・カーのはちゃめちゃぶりにビックリですよ!そしてバート・バカラックの音楽が絶品なんですよ!まぁ、監督が5人もいるので良いシーンとダメなシーンの落差が激しいのもご愛嬌つ〜ことで。イブリンとべスパーのシーンはスゲェ、ムーディで良かったがUFOシーンはさすがに失笑したぞ。

序盤の007集めまでに至る展開がダラダラとしてて睡魔に襲われた。実際、はじまって30〜40分くらいのトコで寝た。すぐ目覚めたがまだボンド卿がミミ率いる女性部隊と戯れてたので迷わず寝た。ロンドンに着くまでははっきりいってテンポが悪くて退屈。せめてミミの女性部隊がもっと粒揃いだったらお目々もパッチリ開いてたんでしょうが、KORO的にかなり微妙。まずデボラ・カー扮するミミのしゃべり方が耳についてダメ。なんか野獣みたいなんだもん。萎え。無事に007達が揃ってからはテンポよく進むので、ラストまで一気に観れたがコメディなのに130分超えなのは長すぎじゃないか?序盤はもっとタイトに出来ると思うんだけど?ま、監督が5人もいるので致し方ないのかも。しかし何故に5人?ついでにジョン・ヒューストン以外知らねぇぞ。誰だ、ヴァル・ゲストって。…フィルモグラフィー見たら、とんでもなくB級バンザイなタイトルが並んでたよ。なんかスゲェ観たくなったよ。ま、それはおいといて。

マタ・ボンドが可愛いぞ!ちょっとブリちゃんに似てるがコケティッシュなお色気がたまらんぞ!ほんのワンシーンだがジャクリーン・ビセットも色っぽくてたまらんぞ!ウルスラ・アンドレスはさすがの貫禄ぶりデス。どうもミー的には彼女はオカマちっくにしか見えん。あのガラガラ声のせいなのか。クライマックスのとんでもぶりもたまらん。なんかスゲェ、みんな楽しそう。スメルシュの首領の陰謀のせこさ加減にワラタ。うむ、いいもん観たぞ。

泥臭いイングリッシュ・ジョークがたまらなく好きだという方は是非。
1967年/イギリス/134分/監督:ジョン・ヒューストン、ケン・ヒューズ他
CASINO ROYALE
2008.12.29記

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