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チャッキーの楽しみ

我が妹、チャッキーは姉の私に似たのか親の私達の育て方が根本的にどこか間違っていたのか、変わったお子ちゃまでした。そんなチャッキーについて。

彼女の最大の喜びは私を驚かすこと&いやがらせでした。努力、勤勉などと言う言葉とは無縁なチャッキーでしたが、私を驚かせる為ならどんな努力も厭いませんでした(厭えよ)。チャッキーは内弁慶で外では大人しく、学校で発言する事など皆無に等しい子供でした。そのせいか友達も少なく、日頃の鬱憤を私に対するいやがらせで晴らしていたのかも知れません。迷惑だったけど。

小学生の時、扁桃腺が弱くて高熱を出し寝込んでいた私。そこへチャッキーがニヤニヤしながらやってきました。何故か画用紙を持っています。

その画用紙を私に見せるチャッキー。そこには「今、熱何度?」と書かれていました。よろよろと腋に挿していた体温計を手渡します。たしか40度ありました。その体温計を見てさらにニヤリとするチャッキー。画用紙をめくり又私に見せました。熱でぼんやりしながらもそれを見た私の目に飛び込んできた文字は…。「もうすぐ死の世界へ旅立つご気分はいかがですか?」…でした。

我が姉が高熱で苦しんでいるというのに、ニヤニヤしながらそんな事を書くチャッキーってホントに悪魔です、鬼です。高熱ゆえ起き上がることも出来ない私は悔し涙を浮かべる事しか出来ませんでした。後日無事熱が下がった私はもちろんチャッキーを責めました。しかしチャッキーは「ああいう風に書いたほうがこのやろう!と思って死の淵から這い上がってくるかな?と。愛情よ、愛情♪」と平然としていました。愛情か?あれが。チャッキーはわざわざ画用紙を買いに歩いて20分はかかる文具屋さんに出かけたそうです。

チャッキーは小説を書く趣味がありました。しかし、いつも内容は一緒。主人公が徹底的に不幸な目に合うのです。書くだけならいいのですがそれを朗読するのです。私がギャグマンガを読んでいる時に。これはかなりへこみます。マンガを読んでガハハと笑っていると、チャッキーが暗い声で「もうあんたはホントにグズなんだから!早くこの屋敷全部をピカピカに磨きなさい!」とか、「ごめんよ、僕はもう君を愛せない」とか。「おほほほほ!彼は私のものよ。あんたみたいなみすぼらしい女は大嫌いなんですって!」などと、それは感情を込めて朗読します。今、思い出しても涙が出そうなくらい主人公は可哀相な目にしか合いません。最初から最後まで不幸なまま。全く救いようのない内容でした。私の邪魔をするためだけに小説を書いていた気もします。

一気に気分はブルーです。文句を言ってもどこ吹く風。逆に新作を披露されるのでギャグマンガはチャッキーに隠れて読むようになりました。

あとチャッキーは一発芸が好きで部屋を真っ暗にしてツイストを踊りまくり(BGMなしです)、部屋に入ってきた私に「俺ってかっこいい?」と聞いたり、すごく深刻な顔をして悩みがあるというので聞いてみると「JAROってなんじゃろ?」とボケてみたりとか。ツイストを踊っていた時などは出かけていつ私が帰ってくるか判らないので、1時間も前から踊っていたそうです。そのせいか真冬にも関わらずチャッキーの額には汗が光っていました。

「エコエコアザラク」のあるシーンで黒猫が怖くなった私を見て早速黒猫をどこからかもらってきて飼ったりなどということもあったなぁ〜。

そんなチャッキーですが今では普通の大人です。多分。