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13 600万円の男へ 15 嵐を呼ぶ所長へ

白の靴下

以前、働いていた職場にて電話応対したお客様は最高にイッテました。

それまでも、出張費頂きますと言ったら「アンタ、人ん家に来るのに金取る気?」と言われたり、「せっかくお宅の一番高い商品買ったのに、嫁にそんなムダなもの買ってといびられる。どうしてくれるのよ!」などと理不尽なコト言われたりしました。「あなたなら僕の気持ちを判ってくれるよね?だからあなただけに僕の秘密を話します」とココはメンテナンスの受付であって心の悩み相談室の窓口ぢゃナイ!と叫びたくなるような電話も受けました。しかし、あのおばさまはもう最高にムテキング。そんなおばさまと修理に行ったナンバーワンCE(カスタマー・エンジニア)のお話。

金曜日の午後3時。電話が鳴りました。「ありがとうございます!○○、KOROでございます!」元気に電話を取る私。途端に電波?と思わせるような甲高い声が私を襲います。「あなたのような若い方には判るか判らないか、判らないケド一応言います」…すいません、若くないです。

まぁそんな私の心の呟きを無視しておばさまの電波トークは続きます。「あのね、トイレのタンクがあるでしょ?アレにするべっていう部分があるでしょ?」するべってナニ?という私の気持ちが通じたのかおばさまは「あなたのような若い方には判るか判らないか、判らないケドあるのよ!」と断言。まぁあるコトにしときます。要は水漏れしているらしい。お伺いしますので住所を、と言う私を遮って「あなたのような若い方には判るか判らないか、判らないケド、うちはね30年も前に建てられたアパートなのよ。判る?あなたのような若い方には判るか判らないか、判らないケド」ええい、しつこいわ!ミーはご老体ちゅ〜ねん!おばさまには判るか判らないか、判らないケドKOROは寄る年波なの!

とりあえず住所聞くトコまで辿り着いたケド、○○町2-9という住所をいうのに、おばさまったら「○○まち、にのくー」と発音シマシタ。9をく、トカきゅーぢゃなく、“くー”。何回聞いても“くー”。アナタは「不思議惑星キン・ザ・ザ」ファンですか?ついでに八○ビルというのを説明するのに「末広がりの、いい?末広がりの、末広がりの!八よ?いい?末広がりよ?いい?あなたのような若い方には判るか判らないか、判らないケド、末広がりよ?」この辺りから笑いを堪えるのに鼻をつまんで電話応対するKORO。

で、通常は翌日お伺いなんですが、すぐ来て欲しいというので修理担当の者に聞いてみないと判りませんので、連絡取りまして折り返しお客様にお電話差し上げますと伝えました。つ〜か早く電話切りたい。そしたらおばさま「あら、そう。で、どなたが見えるの?まさか男の方2人とか3人でこないでしょうね?あなたのような若い方には判るか判らないか、判らないケド、困るわよ、そんなに来られちゃ、わたくし。それととびっきり腕の良い方、お願い出来る?」というので「通常1人で伺います。今から手配するので、誰が行くかはまだ決まっておりません。あと皆信頼できる技術の持ち主デス」と箇条書きのような返答の私。

とりあえずどうにか電話を切り、伝票を書きながらやっぱりマイお気に入りCEさんに行ってもらうしかないかなぁと考えていたら、電話が鳴りました。取ったらまたさっきのおばさま(涙)

「あ、KOROさん!わたくしよ!すごく大事なコト言うの忘れてたわ!いい?あなたのような若い方には判るか判らないか、判らないケド修理に来てもらう方は必ず、必ずよ!白いソックスを履いた方ぢゃなきゃダメよ?いい?白いソックスよ?素足とか他の色はダメよ。あなたのような若い方には判るか判らないか、判らないケド」ですって。またもや鼻をつまみながら、呼吸困難と闘いつつ応対。

とりあえずお気に入りCEさんに電話。開口一番「○○さん、今日は白いソックス履いてます?」はぁ?と言いながらも「ええ、履いてますよ」というCEさんに「おめでとうございます。至急現場が1件入りました」と悪魔の宣告。嫌な予感がすると言いつつ、すぐ行きますというCEさん。ええ人や。愛する人に変な現場を押し付ける私は歪んでるかしら?

しばらくして他の件で用があったのでさっきのCEさんに電話したら、いきなり「ちょっと聞いてよ!さっきの現場。すっげぇおばさんだった!」と魂の叫び。まず工具箱を置こうとしたら、置く向きと位置を指定されたそうです。そして修理してたら、ニコヤカに「トイレ行きたくなったら、我慢しないで言ってね。いい?我慢しちゃダメよ?」と言うそうです。今トイレのタンクを修理してるのにナニ言ってるんだ?と思ってたら、おばさま、さらにニコヤカに「ほら、こっちに用意してますからね、トイレ」と言って襖を開け、奥の部屋に置いてある青いバケツを指差したそうです。思わず電話口で「ええええぇ〜!」と絶叫したKOROデス。そしてため息をつきながら部品入るの来週だから又行かないと…と呟くCEさん。ごめんなさい、ごめんなさいと言いつつも笑ってたKOROデス。

勤続10年のキレイなお姉サマ社員やハセキョー似の派遣社員の女の子と今までで一番のインパクトのお客様だったねぇと話してたら、電話。取ったらまたまたあのおばさま!いや〜!

「あ、あ、KOROさん?わたくしよ!いい人に来てもらって感謝してるわ〜。でね、○○さんに聞きたいコトがあるの。いい?あなたのような若い方には判るか判らないか、判らないケド、聞きたいコトがあるの!電話するように言ってもらえる?いい?あなたのような若い方には判るか判らないか、判らないケド、聞きたいコトがあるのよ!」おばさまはザラキを唱えた!KOROは死んだ!

当時、事務所では「白いソックス履いてます?」と聞くのがぷち流行。