小学生の頃だったでしょうか。私は毎週土曜日になるとバスを乗り継いで伯母の家へ泊まりに行っておりました。目的はTVが観たいから…。

当時、我が家にはTVが1台しかありませんでした。しかし、妹チャッキーとことごとく観たい番組がちがうのです。根が平和主義な私は争いを好みません。とゆ〜よりチャッキーの我がままぶりはすさまじいもので観たい番組の為なら姉をも刺す！という危険思想の持ち主でした。TVのチャンネル争いで命を落とすのもな〜と毎週バス代を母からもらってはプチ家出（？）です。

母も末っ子のチャッキーに甘く、「お姉ちゃんなんだからあんたが我慢しなさい」というお決まり文句でチャッキーの傍若無人ぶりを野放し状態でした。 とにかく私が母からバス代をねだってまで観たかった番組とは…。

「ウィークエンダー」でした。

若い人は知らないかも。しかし、この番組はある年代から上は誰でも知っていると思います。今ではシャネラー（死語？）で渡る世間は鬼ばかり、橋田ファミリーな泉ピン子もこの番組で有名になったのです。すごいパーマのヘアスタイルがお下品さ爆発で子供心に「私が男でもしバー（当時はスナックとは言わずバーとかキャバレーとか言ってたと思う）に行ってこのおばさんいたら速攻帰るな」とか思いました。

チャチャラチャチャンチャ〜ン♪と軽快な中に少し怪しさを漂わせる音楽が流れ、「新聞によりますと〜東京、亀戸の銭湯に前代未聞のノゾキが現れました〜」とかいかにも三面記事的な内容を匂わせるナレーション。

で、泉ピン子とか桂ザコバですか？当時は名前が桂朝丸だったと思うけど、さすがに小学生の低学年だったんでよく覚えてない。たしか今では国会議員夫人の高見恭子も出てました。私は特に桂朝丸のしゃべりが好きで「で、このノゾキはなんと！おばはんの格好をして銭湯に現れたワケだ！」と独特のイントネーションと言い回しで私のハートをがっちりキャッチ♪（どんな小学生だ）。文章では彼の少々お下劣なしゃべりが伝わらないのが非常に残念無念。大体1つの本当にあった面白くて変な事件を1人ずつ担当して、少し大げさに紹介していくってカンジです。「探偵！ナイトスクープ」的なノリかな？

ホントは小学生が観るような内容の番組ではないんだけど割とお行儀にはうるさかった伯母ですがTV番組に関しては寛大でした。イトコ達がみんなずいぶん年上だったというのもありますが。とにかく毎週土曜が楽しみでした。

しかし、クラスでこの番組を観ていたのは私だけ。そりゃそうだ、普通親が観せてくれるような番組じゃありません。しかも夜遅かったと思う。まさか私の母もそんな番組の為に毎週バスを乗り継いでまで伯母の家へ行ってるとは思いもよらなかったでしょう。表向きは「大草原の小さな家」が観たいと言ってましたから。

あと、11PMも夏休みはずっと伯母の家に居候して観てました。年上のイトコ達のおかげでその後、私はとんでもない小学生になってしまいます。